佐賀県議会 > 2016-11-04 >
平成28年11月定例会(第4日) 名簿
平成28年11月定例会(第4日) 本文

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  1. 佐賀県議会 2016-11-04
    平成28年11月定例会(第4日) 本文


    取得元: 佐賀県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-28
    最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1         ○ 開     議 ◎議長(中倉政義君) おはようございます。これより本日の会議を開きます。  二日に引き続き、一般質問を行います。  通告に従い、順次発言を許可いたします。 2 ◎向門慶人君(拍手)登壇=皆さんおはようございます。  改めて、本日一般質問二日目となります。まず先頭を切らせていただきます自民党議員団の向門でございます。よろしくお願いいたします。  質問に入る前に、知事の演告でもおっしゃっていただきましたが、広島東洋カープが日本シリーズの出場を果たしました。  報道によりますと、その日、活躍した鈴木選手を「神ってる」ということで、これが流行語大賞に選ばれたというふうに聞きました。  ぜひとも来年は日本シリーズで日本一になってほしいと思いますし、また、佐賀東高校OB辻発彦元選手も監督になられるということで、ぜひ佐賀県出身者同士の日本シリーズを見てみたいと思いますので、引き続き県民の皆様方の応援、声援をよろしくお願いいたします。  それでは、質問に入らせていただきます。  まず、佐賀空港の自衛隊使用要請についてであります。  知事は、就任間もない昨年二月定例県議会において、「県政運営のキーワードとして『現場』『ミッション』『プロセス』を掲げ、現場を第一に考え、政策本来の目的を見失わず、政策決定のプロセスを大切にする佐賀県庁を目指していきたい」との決意を述べられました。  この基本方針のもとで、これまでも知事はさまざまな現場に出向き、みずから現場の実情を把握し、現場の生の声を聞くことに努められ、施策に生かしてこられたと思っています。  まずそこで、次の点についてお伺いをします。  知事は、さきの県議会での議論や住民説明会等の参加者の意見などを踏まえ、知事みずから稲田防衛大臣に対し、オスプレイデモフライトの実施を要請され、十一月八日のデモフライト当日は空港に一番近い集落である西干拓地区と漁業者が仕事をされている海上で音を体感され、今議会でもその感想が述べられました。  もちろん、実際に上空を飛行するオスプレイを目で見て、騒音や風圧を体感することは大切なことであるとも思いますが、佐世保市や木更津市などの他の自治体の首長さんは、実際にオスプレイに搭乗されたとも聞いております。  私は、現場第一主義を掲げられている知事であれば、体験搭乗も行うべきではなかったかと思いますが、知事の所見をお伺いします。  次に、木更津駐屯地周辺の視察についてであります。  先月十一月、私は佐賀空港と同じような環境にある千葉県の木更津駐屯地を訪問し、駐屯地における自衛隊の飛行の現状などを確認してまいりました。  また、県執行部も平成二十六年十一月に担当部局の職員が木更津駐屯地及び木更津漁協を訪問したと聞いているところであります。
     私は、木更津駐屯地周辺はコノシロの産地であることから、知事みずからが同駐屯地周辺を視察するとともに、周辺関係者との意見交換なども必要ではないかと思いますが、知事の所見をお伺いします。  次に、受け入れ可否の判断に向けた今後の確認事項についてであります。  知事は、今回の防衛省からの要請を議論、検討するに当たっては、計画の全体像、将来像を明確にすることが大切であるとの考えを示し、昨年十月二十九日の当時の中谷防衛大臣との面談以降、これまで防衛省と四往復にわたる文書による質問、回答のやりとりを通じて、計画の全体像、将来像の明確化に努めてきたと承知しておりますが、さきの質問の答弁の中で、項目的にほぼ出そろったという認識の答弁をなされております。  このような中、知事は、これからの判断に向けて何が課題として残っていると考えているのかお尋ねをします。  次に、県の受け入れ可否の判断についてであります。  今回の防衛省からの要請について、有明海漁協は単独で防衛省と交渉したり協議したりせず、県と一緒になって防衛省には向き合いたいとの意向を示されていることは承知しております。  その一環として、有明海漁協は県と一緒に九州防衛局からなされた説明内容の疑義等を整理されたとも聞いております。  私は、こうした県と有明海漁協との共同での作業を通じて議論する環境が整っていくことはいいことだと思いますし、引き続き良好な関係を続けてほしいとは思っています。  ただ、今回の防衛省からの要請については、県民の安全・安心にかかわる極めて重要な課題であることから、まずは県が第一義的な判断を行い、その上で有明海漁協と協議を重ね、議論を進めて判断を促していくことも考えられるのではないかと私は思っておりますが、知事の所見をお伺いします。  次に、玄海原子力発電所の再稼働と避難計画についてお尋ねします。  玄海原子力発電所については、既に幾つかの質問も上がり、第三者委員会等の質問もあっておりますので、私からは再稼働における避難計画についてお尋ねをいたします。  原子力規制委員会は九日の定例会合で、九州電力玄海原発三、四号機が再稼働の前提となる新規制基準に適合していると認めた審査書案を了承しました。  事実上の審査合格とされ、現在、規制委員会は玄海原子力発電所三、四号機の設置変更許可に係る審査書案のパブリックコメント手続が進められている段階にあります。  その上で、知事は今議会の提案事項説明の中で、「原子力規制委員会において規制基準が求める安全性が確認され、住民の理解が得られた場合には、再稼働はやむを得ないものと考えています。」と述べられました。  まさに、玄海原子力発電所の再稼働に関する議論が活発になってきているところであります。  こういう状況の中で、当然に原子力災害時の避難計画についても県民の関心事であると考えております。  去る十一月二十二日に、内閣府を初めとする国の関係機関及び佐賀、長崎、福岡の三県の構成による玄海地域原子力防災協議会が開催され、玄海地域の緊急時対応として、玄海原子力発電所に係る佐賀県、福岡県、長崎県の原子力災害時の避難計画等が取りまとめられ、協議の結果として、玄海地域の緊急時対応については、現時点において関係機関、関係者の対応が具体的であるとともに、原子力災害対策指針に照らして具体的かつ合理的な内容になっていることが確認されたと聞き及んでいます。  今後は、協議会での確認結果について、今後開催される原子力防災会議内閣総理大臣が議長の内閣府から報告され、その後、了承されて進んでいくものと考えております。  玄海原子力発電所の再稼働に当たってのこの緊急時対応は、住民の理解を得るための重要な課題であろうと考えています。  このような状況の中において、報道等では、広域避難ルート構築について重大事故に備えた住民の広域避難に関する課題は残されたままであるとか、実効性に課題が山積しているとか、一部で原子力規制委員会の再稼働に向けた審査の項目に避難計画が入っていないことを問題視されたり、避難計画の見直しが必要ではないかという意見も出ているところであります。  県はこれまで原子力防災訓練を行うなど、ふだんから原子力災害について取り組んできたものと私は承知をしております。  そこで、現在の避難計画について、県としてはどのように認識しているのか。また、今後どのように取り組んでいくのか、知事にお尋ねいたします。  次に、九州新幹線西九州ルートについてお尋ねをします。  九州新幹線西九州ルートに導入されるフリーゲージトレインについては、技術評価を行う軌間可変技術評価委員会が去る十一月十八日に開催され、耐久走行試験に移行する条件は満たされていないとして、さらに約半年の検証走行試験等を実施されることになったと聞いているところであります。  今回の軌間可変技術評価委員会の結果を踏まえ、国はフリーゲージトレイン導入スケジュールに変更がないように取り組むということで、私たちにはそういう説明がなされておりますが、フリーゲージトレインの開発はいよいよ猶予がなく、待ったなしの状況であろうと考えています。  そこで、次の点についてお尋ねをします。  まず、軌間可変技術評価委員会の結果については、十一月二十一日に国から国土交通省の水嶋次長が来県され、技術的な説明をされたとのことですが、フリーゲージトレインふぐあい対策について、国からは、これまでどのような検証を行って、今後どのような対応をすると説明を受けたのか、まずお尋ねをいたします。  次に、今後のスケジュールについてであります。  国は、今後行うとされている検証走行試験等スケジュールについて、どのような説明をされたのかお尋ねをいたします。  次に、国からの説明に対する県の受けとめ方についてであります。  今回の軌間可変技術評価委員会の結果について、国からの説明を受け、県はどのように受けとめたのかをお尋ねいたします。  次に、県独自の専門的な検証についてお尋ねをします。  県はこれまで、国から一方的に技術開発に関する説明を受け、納得するしかない状況ではなかったのかと考えています。  このフリーゲージトレインの開発は、高度な技術、また専門的なものであり、一般的な説明を受けるだけでなく、専門的な知識を持つ有識者等による機関などを設置して、独自に検証すべきではないかと思います。  というのも、ある大学の教授の方とお話をすると、軸がぶれるというか、動くような車輪というのは基本的にあり得ないという話を聞いたこともありますし、ある国会議員の先生から聞くと、本来ここががっちり組み合って初めて動くものが、ここがふらふらするようであれば安全なものは開発できないというようなお話を聞いたことがあります。  ただ今、国が開発されているフリーゲージトレインというのが本当に開発できるか、技術的に可能なのかどうかというのは、私は技術者ではないのでよくわかりません。  そういったことを含めて、客観的に独自に専門的な検証をしていく必要があるんではないかと思いますけれども、どのようにお考えなのかお尋ねをします。  次に、導入が困難な場合の対応についてであります。  というのも、これは十二月一日の新聞に載っておりますが、「九州新幹線長崎ルートの整備方針を議論する与党プロジェクトチームの検討委員会は三十日、開発が遅れているフリーゲージトレインの技術的な検証結果が出る半年後に、FGT導入を前提としてきた現行計画の見直しの必要性についても判断することを確認した。事実上、政治サイドが技術開発の期限を切った形になる。」と。  つまり、半年後、導入の是非判断をすべきではないかということを確認したということだろうと思います。政治的にも、この開発をいつまでも待てないとしびれを切らし始めた状況であろうと推察されます。  また、フリーゲージトレインの開発についても、十一月二十九日の報道によれば、JR九州の青柳社長も、二十八日の定例記者会見で「フリーゲージ猶予ない」という見出しで出ています。  今後、研究開発において不測の事態などが起これば、導入は困難となることも視野に入ってきたのではないかと思います。  そういったことも考慮して、導入が困難な場合の対策、論点を整理される時期に来たのではないかと考えておりますが、いかがお考えなのか、執行部に対しお尋ねをいたします。  次に、地方公会計の整備についてお尋ねをします。  平成二十七年一月二十三日に、総務省より各都道府県知事と各指定都市市長に対し、「統一的な基準による地方公会計の整備促進について」という通知が出ております。  これは、「今後の新地方公会計の推進に関する実務研究会」を設置し、「統一的な基準による地方公会計マニュアル」を取りまとめたということであり、「当該マニュアルにおいては、統一的な基準による財務書類の作成手順や資産の評価方法、固定資産台帳の整備手順、連結財務書類の作成手順、事業別・施設別のセグメント分析をはじめとする財務書類の活用方法等を示しております。」と。  そして、この通知には、統一的な基準による財務書類等を原則として平成二十七年度から平成二十九年度までの三年間で作成するよう要請しており、「特に、公共施設等の老朽化対策にも活用可能である固定資産台帳が未整備である地方公共団体においては、早期に同台帳を整備することが望まれています。」と。  また、都道府県においては、各都道府県内の市町村に対し、適切に助言することと記されています。  そこでまず、県の取り組みについてお尋ねをします。  県における地方公会計取り組み状況についてであります。  最も望ましいスケジュールとして、平成二十七年度期首を調査の基準日とし、平成二十七年度中に一旦、固定資産台帳の整備を行い、さらに平成二十七年度中の増減を反映、更新させ、平成二十八年度期首時点での固定資産台帳を作成することであるようであります。  ただ、そうでなくても、平成二十八年度決算に係る財務書類を統一的な基準により作成するためには、平成二十八年度期首時点の開始貸借対照表の作成が必要となり、そのためには平成二十八年度期首時点の固定資産台帳を遅くとも平成二十八年度中には確定するスケジュールでなければ、平成二十九年度中の統一的な基準による財務書類の作成を完了することが困難となる可能性があると思われます。  また、この財務書類については、日々仕訳と期末一括仕訳の選択、四表形式や三表形式なども選択しなければならないなど、既に今行っている業務にもかかわってくるのではないかと思っています。  そこで、時間的猶予も少ない中で、国からの要請を受けて、県では現在どのような取り組みを行っているのかお尋ねをします。  次に、地方公会計の活用方法についてであります。  重要なのは、財務書類の作成にとどまらず、作成した財務書類をいかに行政運営に活用するかという点であります。  「地方公会計の活用のあり方に関する研究会報告書」にも、「統一的な基準」による地方公会計の整備が進むことにより、「作って見せる」公会計から「活用する」公会計へとステージが変わることが期待をされています。  会計制度や財務書類が作成されることにより、中長期計画、年度計画、予算、それから決算、業績評価、そして次年度以降の計画、次年度以降の予算といったPDCAサイクルの一部に会計を有機的に組み込んだ行政運営ができるようになります。  また、固定資産台帳を整備することにより、自治体の財政状況が正しく把握され、他団体との比較可能性が確保されたり、個別の行政評価や予算編成、公共施設の老朽化対策、資産管理等に活用されたり、あるいは公共施設の維持管理、修繕、更新等に係る中長期的な経費の見込み算出、公共施設の総合的かつ計画的な管理に関する基本的な方針など、あらゆる面での充実した活用ができるようであります。  そこで県は、統一的な基準による財務処理等を作成後、その活用方法についてはどのように考えているのかお尋ねをします。  次に、市町の取り組みについてであります。  現在の県内市町における地方公会計の整備状況はどうなっているのか。  また、その市町への支援についてどのような支援を行っているのかも重ねてお尋ねをいたします。  次に、高齢者の交通問題についてお尋ねをいたします。  最近の報道によれば、全国的に高齢者による重大な交通事故が多発しており、認知症を原因とするケースがある一方、アクセルとブレーキの踏み間違い、あるいは加齢に伴う身体機能や判断力の低下が原因と見られる事故も多いというふうに報道もされ、私もそのように認識をしております。  県内の高齢者人口も年々増加傾向にあり、また、高齢者の運転免許保有者数も年々増加している状況にあります。これに伴い、高齢者による交通事故や運転免許を返納した方の返納後の移動手段の確保等の交通問題が発生しており、これに対して県としていかに対応していくかも重要な課題であると考えています。  また、来年三月には、高齢運転者対策の推進を図るための制度として、新たな高齢者講習制度が導入されると聞き及んでおります。高齢者による交通事故をいかに防ぐかということを考えると、運転免許を保有している高齢者が運転免許を返納しやすい環境を構築することも必要と考えます。  高齢者の交通問題は、県全体として対応していくべきものであり、各部署がこれに対してどのような対策を講じていくのかが重要であると考えています。  そこで、警察本部長にお尋ねをします。  まず、高齢者の運転免許の保有状況についてであります。  高齢化社会が進む中で、高齢者の運転免許保有者数はどのようになっているのかお尋ねをいたします。  次に、高齢運転者による交通事故の発生状況についてであります。  県内の高齢運転者が第一原因者となった交通事故の状況はどのようになっているのかお尋ねをいたします。  次に、現行の高齢者講習制度についてであります。  現在の運転免許更新時に実施されている高齢者講習はどのようなものになっているのかお尋ねをします。  また、認知機能の低下による運転免許の行政処分の状況はどのようになっているのかお尋ねをします。  そして次に、今般改正される道路交通法の概要についてであります。  来年三月十二日に施行される改正道路交通法高齢運転者対策の内容はどのようになっているのかお尋ねをします。  次に、改正道路交通法に係る広報のあり方についてであります。  今回の改正について、県民に改正道路交通法の内容を幅広く周知させる必要があると思いますが、県警本部はどのような取り組みを行っているのかお尋ねをします。  そして、自主返納の状況及び課題についてであります。  高齢者の運転免許の自主返納の状況と自主返納に係る課題はどのようなものがあるのかお尋ねをします。  次に、高齢者の移動手段確保対策についてであります。  高齢運転者の増加が今後も見込まれる中、自家用車の運転が難しくなった高齢者にスムーズに免許を返納していただくためには、代替となる移動手段が確保されていることが必要になります。現在の路線バス等の公共交通機関は利便性が悪く、近くのスーパーに買い物に行くにも病院に行くにも、路線や便がない場合が多く、免許を返納した後の移動手段としては現実的な選択肢とは思えません。  県では、公共交通に係る計画を策定し、公共交通ネットワークの再構築を図ることとされておりますが、路線バスのICカード導入バスロケーションシステム等の取り組みが想定されているものの、高齢者の移動手段という視点が抜けているのではないかと思っています。  県では、高齢者の移動手段の確保についてどのような対策を行っていくのか、改めてお尋ねをいたします。  最後に、高齢者の移動手段確保対策に係る社会全体での取り組みについてであります。  さきに申し上げましたが、高齢者による交通事故をニュース、あるいは新聞で見たときに、本当に我々は高齢者のために何をやっているんだろうかというふうに思いました。認知症によって交通事故を起こされた方もいらっしゃいます。あるいはアクセルとブレーキを踏み間違えて事故に遭われた方がいらっしゃいます。齢八十過ぎて、もうあとわずかな人生なのに、人を殺してしまう。事故を起こして人を殺めてしまう。その罪を思いながら残りの人生を過ごされる方。そしてまた、被害者はそのような高齢者に対し、被害者の命が失われていく、これから先、さまざまな人生を迎える命が失われていく。何とも悲劇と悲劇が生まれていると思います。また、残された家族も、そしてまた加害者の家族も悲劇を受けるんだというふうに思います。何とかしてこのような社会を変えていかなければならない。やはり命がとうとばれる社会をつくっていかなければならないと思います。  一昨日も福岡の病院で事故があり、三名の方が亡くなられました。そして、三人家族の娘一人を残して両親が亡くなられたという報道もあっていました。この交通事故というのは、病気と違っていつ突然どのような形で人の命を奪ってしまうものかもわかりません。我々も常日ごろ運転しているので、緊張してやっぱり運転をしていかなければならないかもしれませんが、やはり事故というものを起こさないように努力をしていかなければなりません。  そして、高齢者が、私はもう年齢が高くなったから免許を返納したい、もう運転はしたくないと思ったとしても、昔だったら近くにスーパーがあって歩いて買い物に行けて、あるいは近くに病院があって歩いて行けたのが、今の社会、幾ら町なかでも大きなスーパー、そういったところに集約をされて、日々買物に行く場所もなくなって、やはり車がないと生活ができない。  あるいは三世代、お子さんやお孫さんと一緒に生活をしていくとしたら、じゃ、俺が連れていくよと。お孫さんやお子さんが連れていけるかもしれませんけれども、高齢者単独の世帯とか、あるいは老夫婦の世帯とか、頼る人もなく、やっぱり自分で運転していかなければ生活ができない、そういう環境もあるんだと思います。運転をやめたくてもやめられない。そしてまた、高齢者の人口は年々ふえていき、平均寿命も延びています。この悲劇がますますふえていく可能性もあります。  飲酒運転のような悪質な行為ならまだしも、高齢者のそういった痛みを、高齢者の運転が大切な命を奪ってしまう可能性があると考えたときに、私は社会全体でこの問題を解決していくべきではないかと思います。  当然、県の交通部門だけで担えるものではありません。警察本部がかかわることも当然であります。しかし、長寿社会課など福祉部門や、あるいは市町などの幅広い分野の関係団体と連携して進める必要が私はあると思います。そのためには、知事が先頭に立ってこの問題の取り組みを進めていくべきだと考えますが、最後に知事にお尋ねをいたします。  以上で一般質問を終わります。(拍手) 3 ◎山口知事 登壇=皆さんおはようございます。向門慶人議員の御質問にお答えいたします。  まず、佐賀空港の自衛隊使用要請につきまして、オスプレイの体験搭乗についてお尋ねがございました。  オスプレイによるデモフライトにつきましては、県議会や九州防衛局による有明海漁協や地元住民への説明会などの場におきまして、やはり騒音のことが心配、騒音を数字で示してありますが、実際にオスプレイを飛ばしてもらわないとよくわからない。オスプレイを飛ばして音を体感する必要があるのではないかなど、オスプレイによるデモフライトの実施を求める声が出されておりました。  こうした声を受けまして、私としてもオスプレイの実際の音を多くの方々にみずからの耳を通して体感していただき、その上でさまざまな観点から御意見いただくことで、今後の議論、検討につなげたいとの思いから、九月二十一日に稲田防衛大臣に対しまして、オスプレイによるデモフライトの実施を要請したところでございます。  私がオスプレイに乗ることに意味があったり、例えば、乗るべきだという声があるということでありましたら、私がオスプレイに乗ることについてはやぶさかではございません。ただ、今回のオスプレイデモフライトについて言わせていただくと、その目的は、オスプレイの音を実際に体感する。そして体感していただくということにありました。つまり、今回の目的に照らせば、私がオスプレイに乗ることよりも、オスプレイの音を体感することが大切であると考えたことから、オスプレイには搭乗しなかったわけでございます。  続きまして、木更津駐屯地周辺の視察について御意見がございました。
     議員が御指摘のとおり、平成二十六年十一月、これは私が就任する前でございますけれども、県の関係職員が木更津駐屯地や木更津漁協などを訪問し、関係者にヒアリング調査などを行ったと聞いております。  木更津駐屯地周辺の海もコノシロの産地ということから、有明海漁協は木更津を訪問して現地の漁業者と直接意見交換をしたいとの意向をお持ちだと聞いております。議員御指摘のことにつきましては、その意見交換の状況などを踏まえて考えていきたいと思います。  続きまして、受け入れ可否の判断に向けた今後の確認事項についてお尋ねがございました。  計画の全体像、将来像につきましては、今後も含めて全部そろったとか一〇〇%そろったということは難しいと考えておりますが、県からの四回目の質問に対する回答及び有明海漁協からの質問に対する回答が来たことによりまして、項目的にはほぼ出そろってきたのではないかと思っております。  今後残された課題といたしまして、一点目として七月二十五日に九州防衛局から有明海漁協の十五支所の運営委員長及び支所長に対し説明が行われ、また、十月十一日には施設計画地やその周辺の地権者が所属する有明海漁協四支所の運営委員長及び運営委員に対し説明が行われてはいるものの、広く一般地権者を対象に説明がなされるべきこと。  二点目として、県からの四回目の質問に対する回答や住民説明会で出された質問や疑問に対する防衛省の説明内容などについて精査、確認中でありまして、新たな疑問等が生じれば改めて九州防衛局に対し質問する必要があると考えています。  三点目といたしまして、十月十三日の参議院予算委員会における総理発言の真意について、総理御自身への確認と。  少なくともこれら三点につきましては、今後判断するに当たって必ず踏まなければならないプロセスだと考えております。  いずれにいたしましても、プロセスを大切にして判断するための環境を整えながら、しかるべき時期に後世にきちんと説明できるような判断をしたいと考えております。  続きまして、受け入れ可否の判断の順番についてお尋ねがございました。  今回の防衛省からの要請を議論、検討していくために必要だと考えておりました計画の将来像、全体像につきましては、県が有明海漁協と共同で進めてまいりました精査、確認作業などを通じて、項目的にはほぼ出そろってきたというふうに考えているわけであります。  今後は、計画の全体像、将来像の精査、確認作業を進めつつ、今議会の一般質問でも考えられる項目は幾つか例示させていただきましたけれども、県議会を初め、有明海漁協や佐賀市、JAさがなどにおける議論の状況なども踏まえながら論点を洗い出し、議論、整備をすることになると思います。  そして、県といたしましては、さまざまなそうした論点における事実関係や県の見解を整理したものにつきまして、しかるべき時期に提示したいと考えております。  それについて、県民、そして県議会でも議論していただきまして、それを踏まえて今回の防衛省からの要請の受け入れの可否について、県としての判断をすることになろうかと考えているわけであります。  有明海漁協との関係で申し上げさせていただければ、仮に県が最終的に要請を受け入れると判断した場合については、公害防止協定の相手方であり、地権者でもあります有明海漁協に対しまして、県としての考えを説明して公害防止協定上の事前協議をしていくことになるのではないかと考えているところでございます。  続きまして、玄海原子力発電所の再稼働と避難計画についてお尋ねがございました。  原子力発電につきましては、県民の安全が最も大事なことでありますことから、稼動している、稼動していないにかかわらず、県として現に存在しております玄海原子力発電所と真摯に向き合い対処していかなければならないと考えておりまして、避難の問題は極めて重要です。  これまで県地域防災計画のほか、関係市町や医療機関、福祉施設の避難計画など、原子力災害対応の基本となる計画は策定済みでございます。  さらに、内閣府を初めとする関係省庁の審議官及び佐賀、長崎、福岡の三県の副知事を構成員といたします玄海地域原子力防災協議会が設置されておりまして、担当者レベルによる作業部会において、避難計画を含めた玄海地域の緊急時の対応について検討を重ねてきたところであります。  これらの検討を踏まえまして、十一月二十二日に開催された玄海地域原子力防災協議会において、玄海地域の緊急時対応が取りまとめられ、現時点において関係機関や関係者の対応が具体的であるとともに、原子力災害対策指針に照らして、具体的かつ合理的な内容になっていることが確認されたところであります。私も緊急時対応は大切であると考えておりましたので、一つの大きな節目と考えております。  今後は、今回の協議会での確認結果について、内閣総理大臣を議長とする原子力防災会議に内閣府から報告され了承を求められることになっております。  ただ、もちろん常々私が申し上げておりますように、実際の災害は避難計画で想定しているとおりに対応できるものではないと思います。むしろ予定していた避難経路が使えないなど、計画どおりにいかないことが常なんだと皆でしっかりと認識しておくことが大切だと私は考えています。  そのため、現行計画を基本としながらも実際の状況に応じてどう適切に対処するかといった対応力を鍛えておくことが極めて重要でありまして、図上訓練において、渋滞を初めいろいろな困難な状況をブラインドで発生させて、どう対応するのかといったオペレーションの訓練を実施するとともに、これ、実動訓練でやるということになりますと、通常の社会生活が営まれている中でトラブルを置くわけですから、なかなか難しいところはあります。ただ、そうは言っても、どういうやり方ができるのか、予想外の事態を発生させた、そういった実動の対応訓練についてもしっかり検討していきたいと思っています。  いずれにいたしましても、災害対応は終わりというものはありません。常に見直しをして実効性を上げていく不断の努力をしていくことが必要だと考えております。  続きまして、高齢者の交通問題につきまして、移動手段確保対策に係る社会全体での取り組みについてお答えいたします。  最近、高齢者による重大な交通事故が目立っているということで、これも向門議員がおっしゃるとおりで、福岡の事故も両親が亡くなられて、子供が一人、小学生でしたでしょうか、一人っ子で取り残されてと、本当に痛ましい話だなというふうに思います。こういうことはあってはいけないことだと思います。  高齢者の交通事故を減らし、運転免許返納の機運を高めていくためにも高齢者の移動手段の確保にしっかり取り組むことが重要だと思っております。  そして、我が国は高齢化の進度が世界中で一番早い国でありますから、この高齢化社会をどう社会として取り組んでいくのかということの世界の一つのモデルケースとなるわけでありますから、しっかり国全体として、そして地域ごとに全力で取り組むべき課題だろうというふうに考えております。  高齢者が通院や買い物など日々の移動に不安を抱えることなく、安心して日常生活を営むことができるような移動手段を現場からつくっていくということが、これからの県政の大きな課題だと思います。  白石でコミュニティタクシー「いこカー」というのを事業者の協力などもあって運行しておりますけども、私もこれに乗ってみました。そして、利用されている高齢者、それから、運行されている事業者のお話も直接伺ってまいりました。  「いこカー」は予約制と定時定路線の二種類の方法で運行されておりますけども、予約制では好きな時間に利用できて気軽に外出できることがうれしいですとか、いつも同じ運転手で安心だとか、これまで家族の送迎に頼っていた方が利用されるようになったといった声ですとか、定時定路線につきましても高校生が通学で利用するようになったという声もありまして、地域のニーズに対応できるような形で活躍している様子がうかがえました。また、行き先のお店で買い物だけでなく、皆さんとお話しするのが楽しみといった声もありました。  そういう身近な地域交通が地域で暮らす住民にとって、通院や買い物といった移動手段としての役割だけではなくて、車内ですとか、行き先でのコミュニケーションづくりにも一役買っているというような実態もかいま見て、やはり大切だなというふうに実感したところであります。  一律にその地域ごとに実情が違うので、どの方法がよいとは言えないところがこの問題の課題でもありまして、それぞれの地域が住民のニーズを踏まえて、地域の実情に合ったような移動手段の確保に取り組めるように、市町はもちろん、警察、交通事業者、福祉部門など幅広い分野と連携しながら検討を進めて、高齢者の視点に立った移動手段の確保を図っていきたいと思います。そして、生まれた一つ一つの成功事例を積み上げながら、それを紹介して、高齢者が安心して生活ができるように、そして、生活ネットワークが構築できるように、私といたしましても総合的に、全庁的に力を注いでまいりたいと考えております。  私からは以上でございます。 4 ◎大田総務部長 登壇=私のほうからは、地方公会計の整備についてのうち、県の取り組みについてお答え申し上げます。  まず、県における地方公会計取り組み状況についてでございます。  議員御指摘のとおり、平成二十七年一月二十三日付の総務大臣通知によりまして、「統一的な基準による地方公会計の整備促進について」要請がなされたところでございます。  その主な要請は三つでございます。  まず一つ目に、統一的な基準による財務書類を、原則として平成二十七年度から平成二十九年度までの三年間で全ての地方公共団体において作成し、予算編成等に積極的に活用するよう配慮すること。  それから二つ目に、特に固定資産台帳が未整備である団体においては、早期に同台帳を整備することが望まれること。  三つ目といたしまして、都道府県においては、各都道府県内の市町村に対し適切に助言することなどが要請されたところでございます。  このような国の動きを踏まえ、本県といたしましても国が策定いたしました統一的な基準による財務書類を作成し、平成二十九年度から公表する予定でございます。  そのため、具体的には平成二十八年度分から新たに財務書類を作成し、二十九年度に公表するとともに、平成二十九年度決算分以降につきましてはシステム上での作成を可能とするため、財務経営システムの改修を本年十月に契約いたしまして、本年度中に完了することとしております。  また、固定資産台帳につきましては、本年七月から全庁的に作業を開始し、同じく今年度中には整備を完了する予定でございます。  このように県といたしましては、統一的な基準による新たな財務書類の作成、公表に向け、全庁的に取り組んでいるところでございます。  次に、地方公会計の活用方法についてでございます。  先ほど御答弁申し上げましたとおり、平成二十七年一月二十三日付の総務大臣通知によりまして、全ての地方公共団体において統一的な基準による財務書類を作成し、予算編成等に積極的に活用するように要請がなされたところでございます。  さらに、総務省においては本年十月に「地方公会計の活用のあり方に関する研究会」の報告書を取りまとめられ、当該報告書の内容に留意しつつ、地方公会計の活用に取り組むよう要請する旨の通知がございました。  このような国の動きを踏まえまして県といたしましては、例えば、県有施設ごとのコスト計算を行い、県内の、あるいは他の都道府県の類似施設と比較することで、コスト高な施設についてはその要因を分析し、結果を予算編成に反映させることなどが可能となるのではないかと考えております。  今後、統一的な基準による財務書類を活用することで、よりめり張りのある財政運営に努めてまいりたいと考えております。  私からは以上でございます。 5 ◎坂本地域交流部長 登壇=私からは、大きく三点、九州新幹線西九州ルートについて、地方公会計の整備のうち市町の取り組みについて、そして最後に、高齢者の移動手段の確保について、御答弁申し上げます。  まず、九州新幹線西九州ルートについてのうち、国からの具体的な説明内容につきましてでございます。  十一月二十一日の国からの説明につきましては、フリーゲージトレインのふぐあいとして、車軸の摩耗、高速走行安定性、メンテナンスコストの三つが示されました。  具体的には、車軸の摩耗につきましては、室内試験におきまして速度二百七十キロメートルで、実走行時の車両震動を考慮して荷重を一・三倍に増加させたところ、約九千キロメートル走行した段階で摩耗が発生したということ。  高速走行安定性につきましては、横揺れを抑制するヨーダンパーという部品を一つ外した状態で回転中の台車に横方向の震動を加えながら加速させたところ、速度二百八十キロメートルで台車の揺れが増幅したということ。  メンテナンスコストにつきましては、一般の新幹線に比較しておよそ二・五倍から三倍のコスト増になっているということなどの説明がございました。  これらの対策といたしまして、今後、実際の運行に近い状況での検証を行うため、営業線におきまして約一万キロメートルの検証走行試験を行うとともに、高価な部品の再利用など、メンテナンスコストを削減するための技術開発を進めるとの説明があったところでございます。  次に、今後のスケジュールについてでございます。  国によりますと、検証走行試験とメンテナンスコスト削減の検討につきましては、今後半年かけて行い、来年初夏をめどに検証結果を取りまとめ、軌間可変技術評価委員会における評価を得た上で、耐久走行試験の再開について判断したいということでございました。  当初の予定では来年一月から六十万キロメートルの耐久走行試験を実施するというスケジュールでしたが、検証走行試験という新たな工程が行われることになりました。  しかしながら、もともと耐久走行試験で実施する予定でございました、例えば、超音波検査装置を用いた車軸の摩耗量測定などの確認などを今回の検証走行試験の中に組み込んで前倒しして実施するなど、現在考えている開発スケジュールの中で対応できるということの説明を受けました。  次に、国からの説明に対する県の受けとめでございます。  検証試験が順調に進み、耐久走行試験が再開されることを期待しておりましたが、この結果は非常に残念でございます。しかし、武雄温泉─長崎間の施設整備は計画どおり進捗いたしておりまして、西九州ルートが武雄温泉駅でのリレー方式により平成三十四年度に暫定開業することは決定しているところでありまして、このことにつきましては何ら変更はないものでございます。  県としては、西九州ルートのフリーゲージトレインによる全線開業に向けまして、国はその責任のもとで技術開発をしっかりと進めていただきたいと考えております。  次に、県独自の専門的な検証についてでございます。  フリーゲージトレインの開発は国が主体になり、国の責任において実施されているところでございまして、その技術開発状況についても国が設置している軌間可変技術評価委員会により評価されております。  この軌間可変技術評価委員会の委員は、鉄道技術などに関する専門的知見を有する、例えば、筑波大学、あるいは東京大学の教授など外部の専門家の皆様であり、しっかり評価をしていただけるものというふうに考えております。  ただ、県といたしまして専門的な内容を理解する上で必要であれば、国からの説明だけではなく、鉄道技術に知見を有する有識者の意見を聞くことなどについても検討してみたいと考えております。  西九州ルートについては最後の問いになりますが、導入が困難な場合の対応についてでございます。  まず、先ほども御答弁いたしましたが、平成三十四年度の暫定開業は、変更はございません。ただ、西九州ルートはフリーゲージトレインによる整備を前提といたしております。佐賀県としては、関西、中国地方から人を呼び込むことができるということが重要だと考えておりまして、フリーゲージトレインの全線開業を求める考えに変わりはございません。  しかしながら、現実にはフリーゲージトレインの開発においてふぐあいが生じており、開発がおくれているということも事実でございます。フリーゲージトレインの開発は、その全責任を国が負うべきであると考えておりまして、その責任のもとでフリーゲージトレインによる西九州ルートの全線開業の実現に向けて取り組んでいただきたいというふうに考えております。  次に大きな二番目、地方公会計の整備についての市町の取り組みについてでございます。  地方公会計の整備促進につきましては、統一的な基準による財務書類の作成と固定資産台帳の整備が要請されております。  統一的な基準による財務書類の作成状況につきましては、伊万里市、鹿島市の二市が平成二十六年度決算分を作成済みでございまして、ほかの市町におきましても平成二十九年度までに作成予定と聞いております。  また、県内市町における固定資産台帳の整備状況については、既に十六市町が整備済みでございます。残り四市町も今年度中に整備の見込みとなっております。  二点目、市町への支援についてでございます。  統一的な基準による地方公会計の整備に向けた市町に対する支援につきましては、これまで国の通知や関係資料などの積極的な情報提供、市町職員向けの説明会の開催、公認会計士などによる財務書類作成のための研修会の開催、市町の財政担当者会議での意見交換、情報共有などに取り組んできたところでございます。  このようなことから平成二十九年度までに県内全ての市町において統一的な基準によります地方公会計の整備のめどが立っておりますが、引き続き県としてもしっかり支援してまいりたいと考えております。  なお、市町が地方公会計を導入後、いかにその活用を図っていくかがより重要であると考えておりまして、導入支援とあわせまして各市町において効果的な活用を図られるよう、市町職員に対する公会計制度についての理解を深める研修を実施するなど、さらに積極的に支援をしてまいりたいと考えております。  最後に、高齢者の交通問題についてのうち、高齢者の移動手段確保対策について御答弁申し上げます。  高齢者の移動手段の確保につきましては、二つの観点から取り組んでいくこととしております。  一点目は、既存の路線バスやタクシーなどの公共交通についてでございますが、御指摘のように、不便だという御意見はあるにしても、高齢者が使いやすい環境もつくりながら、持続可能なものにしていくことが必要だと考えております。  ICカードのお話もございましたが、私は実は車通勤を電車とバスの通勤に切りかえました。通勤途中に高齢者の方が運賃支払いの際にどの運賃を支払っていいのか、あるいは小銭を出すのに非常に戸惑っておられる光景をよく見受けます。ICカードになれば、そのようなことの解消にもつながっていくのではないかと考えておりまして、高齢者の方にも使いやすいものになっていくと考えております。  また、公共交通を持続可能にしていくためには、高齢者などの移動に困られている方だけでは難しく、自家用車利用者や観光客にも利用いただけるような取り組みを通じて利用者を拡大することで、その存続を図る必要があると考えております。  あわせて、先ほど議員から御指摘ございましたが、もう一点の観点でございますが、高齢者が地域内で通院や買い物など日々の移動に不安を抱えることなく、日常生活を営むことができるようなきめ細やかな移動手段の確保もあわせて必要だと考えております。  地域の実情に応じまして乗り合いタクシーやデマンドタクシーなどの移動手段の確保に取り組もうとする地域も出てきております。そのような取り組みが多くの地域に広がっていくように、県といたしましても市町とともに高齢者の声に耳を傾けながら、さまざまな先進事例の収集、提供や補助事業の活用などを通じまして、市町における地域交通の見直しの議論に積極的にかかわっていきたいと考えております。  このような二つの観点から補完し合いながら、高齢者が安心して利用しやすい移動手段の確保に努めてまいりたいと考えております。  私からは以上でございます。 6 ◎逢阪警察本部長 登壇=私からは、高齢者の交通問題のうち、高齢運転者対策についてお答えします。  まず、高齢者の運転免許の保有状況についてでございますが、県内の六十五歳以上の運転免許保有者数は、平成二十七年末現在、約十三万二千人で、全保有者の二三・三%を占め、年々増加しております。  次に、高齢運転者による交通事故の発生状況につきましては、六十五歳以上の高齢運転者が主たる原因者となった県内の人身交通事故件数は、平成二十七年中は千六百五十三件で全体の一九・八%を占め、年々発生件数や構成率も増加しております。  また、平成二十四年から本年十月末までの年齢層別の免許保有人口十万人当たりの人身事故件数は、(197頁で訂正)六十五歳から六十九歳では七百八十・七件であるのに対し、七十歳から七十四歳では八百八十九・七件、七十五歳以上では千百四十四・一件と、高齢になるにつれ交通事故の発生も増加しているところでございます。  続きまして、現行の高齢者講習制度についてお答えします。  現行の高齢者講習は運転免許更新時の年齢が満七十歳以上の方を対象に、運転者の加齢に伴う身体機能の変化を自覚していただき、今後の安全運転に活用してもらう目的で免許更新前に実施しております。  その内容は、主に教本や視聴覚教材等による講義、運転適性検査器材による指導、実車による指導の三点であります。  また、免許更新時の年齢が満七十五歳以上の方を対象に、高齢者講習を受講する前に、記憶力、判断力を確認するための認知機能検査を受検し、その結果に基づいた高齢者講習を実施しているところでございます。  認知機能検査の結果、記憶力、判断力が低下していると判定された方が、信号無視や一時不停止などの一定の交通違反があった場合は、医師による臨時適性検査を受検していただくか、もしくは診断書を提出していただくことになっており、その結果、認知症と診断されれば、免許の取り消し、または停止の行政処分の対象となります。  臨時適性検査等で認知症を理由として運転免許の取り消し処分を行ったのは、平成二十六年は十四人、平成二十七年は二十一人、平成二十八年は十月末までに三十二人で、年々増加しております。  次に、改正道路交通法の概要についてでございますが、来年三月十二日に施行される改正道路交通法では、新たな高齢者講習制度が導入されますが、その主な改正点は、臨時認知機能検査の実施、臨時適性検査制度の見直し、高齢者講習の合理化・高度化の三点であります。
     一点目の臨時認知機能検査の実施ですが、これは七十五歳以上の高齢運転者に対し、これまで三年に一度の運転免許更新時に実施していた認知機能検査を、信号無視や一時不停止など十八の交通違反を行った場合にも実施することになります。  二点目の臨時適性検査制度の見直しは、これまでは認知機能検査で記憶力、判断力が低下していると判定され、しかも一定の交通違反があった場合に限り、医師の診断が必要であったものが、記憶力、判断力が低下していると判定された方は、交通違反の有無にかかわらず医師の診断が必要となります。  三点目の高齢者講習の合理化・高度化は、認知機能検査の結果を反映し、それぞれの区分に応じて講習を受講するもので、七十五歳未満の方と記憶力、判断力に心配のない方は二時間の合理化講習、また、記憶力、判断力が低く、または少し低くなっている方は三時間の高度化講習をそれぞれ受講することになります。  このように、新たな高齢者講習制度の導入で、認知機能検査や医師の診断を受ける機会がふえることで、高齢運転者にとっても自分の運転適性や認知症に関するチェックを受ける機会が多くなり、高齢者の交通事故防止はもとより、認知症の早期発見、治療等の側面的な効果も期待されるところでございます。  この改正道路交通法に係る広報のあり方でございますが、県警察といたしましては、広報チラシの配布、県警察のホームページへの掲載、各種講習会、会議等における広報など、あらゆる機会や広報媒体を活用した広報を実施しているところでございますが、来年三月の改正法施行に向けて、引き続き広報に努めてまいりたいと考えております。  最後に、自主返納の状況及び課題についてお答えします。  県内の六十五歳以上の自主返納者数は、平成二十七年中、約千百人で年々増加しており、そのほとんどの方が身体機能の低下を理由として返納されております。  運転免許センターにおきましては、本年四月から看護師等の資格を有する専門の運転適性相談員を配置し、運転に不安がある高齢者やその家族等の相談に対し、きめ細かく対応しております。  また、各警察署等の相談窓口においても、高齢者等に対して自主返納制度の説明や居住地域における代替交通手段の教示を行うなどの支援を行っているところであります。  しかしながら、高齢者の方が安心して運転免許を自主的に返納できるよう、代替交通手段の確保など返納しやすい環境づくりが一層必要であるところでございます。  県警察としましては、今後とも自治体を初め、関係機関・団体等と連携し、返納しやすい環境づくりに配意するとともに、高齢者等からの相談に適切に対応するなど、改正道路交通法の円滑な運用に向けて取り組んでまいる所存であります。  私からは以上でございます。 7 ◎坂口祐樹君(拍手)登壇=自由民主党の坂口祐樹でございます。  私ごとでありますけれども、十二月一日に浜崎敏彦さんという私の地元の先輩であり、恩師がお亡くなりになりました。六十四歳という若さで、人生においてもまだまだ道半ばであったと残念に思っております。  私との関係は、私が中学生のころは余りにもできが悪かったんで、マンツーマンで勉強を教えてもらったり、また、私が二十八歳のときに町議会議員に初めて立候補したときの同期の桜でもありました。ともに二期八年間、汗を流し、そして、今現在は太良町の教育委員会委員長として、子供たちのために御奮闘をいただいておりました。  正義感があって、誠実で思いやりのある方でありました。心から御冥福をお祈り申し上げます。  おとといの葬儀のときに、この二期八年分、浜崎さんがこういう壇上で一般質問をしたことを想像していました。すると、私自身、今、佐賀県議会の議席の一つをお借りしていることに感謝をしながら、もっともっと佐賀県の役に立たなければならないということを感じさせていただきました。  八十三万全ての県民の皆さんの意に沿うことはできないかもしれませんけれども、多くの皆さんが納得できる、そんな議論を心がけていきたいと思います。  今議会は、六項目の提案をさせていただいております。  まず、一項目めです。佐賀空港の自衛隊使用要請についてであります。  一点目、これは先ほど向門議員が議論をされました。なぜオスプレイデモフライトに対して知事が体験搭乗しなかったのか。答弁は、意味や要請があればというお話がありました。  私は平成二十六年、約二年前に、この壇上で当時の古川知事に、デモフライトをするべきで、そのときは知事自身が搭乗すべきだという議論をした覚えがあります。  しかし、残念ながら、山口知事さんには申し述べていません。そして、今回については、乗ることよりも音を体感することが優先という答弁があったと思います。  多分音の体感というのは、いろんな方から聞くことができたんだろうと思います。しかし、体験搭乗は誰もができるわけではありません。私も乗ることができれば乗りたかった。しかし、なかなか定員も限られている。そういう中で、もし知事がその意思を表明すれば、多分体験搭乗はできたんだろうと思います。しかし、知事は、体験搭乗よりも音の体感を優先された。  私は、十一月八日にデモフライトがありそうですという報告を受けたときに、すぐに県議会に行って、水産課の皆さんと話し合いを持ちました。  私は、有明海において、コハダに影響があるというお話をさせていただきましたので、水中調査をやるべきですよと。以前、一回目は地上だけの調査でありましたので、地上、海上、なお水中の調査をやるべきだ、もし防衛省がこの調査に乗り出さないのであれば、佐賀県独自でできますかというお話をしたら、なかなか佐賀県独自で調査をすることは困難ですというお話でありましたので、それならば、有明海漁協に対してこういう意見があったということを申し述べてくださいと。  そして、私も同時に地元の運営委員長さんに電話をかけて、水中での調査を防衛省に依頼したほうがいいんじゃないでしょうかというお話をしました。結果、水中での調査は行われました。  陸上、海上においては、もう公表されていますけれども、水中においては、一カ月以上の時間を要するということでありますので、もうしばらくすると公表されると思います。  私は、知事が体験搭乗して、きちっと安全性を確認する必要があったと思います。多分音は想定できるんです。オスプレイがもしヘリモードのときには、基本的には同じ重量のヘリコプターの音とそう変わらないであろうと。もし飛行モードのときには、当然プロペラ機の音とそう変わりはないだろうということは想定がつきます。  しかし、オスプレイの不安というのは、多分ティルト、プロペラが上を向いたり前を向いたりする、要は高度な技術だと思うんですね。高度な技術だからこそ、少し不安視されているところもあるんだろうというふうに思っています。  だからこそ、知事がきちっとその安全性を我が身をもって体感するということは、とても大事だったと思います。  そして、いずれイエスかノーかの判断を知事は下さなければならない。そのときの決断に対して説得力を持たせるがために、知事はやっぱり乗っていたほうがよかったと思います。  実は、僕は先入観として、多分知事は乗るだろうと思っていたんです。しかし、当日になったら、いや、知事は乗らないということを聞きましたんで、少し意外だったなと思いました。  僕が問いたいのは、当事者意識です。知事は、佐賀空港の管理者であって、八十三万佐賀県民の政治的な代表者であります。一番の当事者です。当事者としては、少し積極性に欠けたのかなというふうに私は感じます。  当事者意識の視点として、知事はなぜ体験搭乗しなかったのか、再度お伺いをいたします。  次に二点目、コハダ漁への影響についてであります。  私はこの場で数度、コハダの投網漁に対しては影響があると。だから、この議論を聞いて、知事も防衛省に対して申し入れをしてくださいと。  実はオスプレイの議論が始まったとき、私も投網漁師の方から話を聞いたときに、コハダには影響がありますよ、実はぴんときませんでした。水中だからどうなんでしょうねということで、では、皆さんの漁の現場を見せてくださいといって、船に乗って、実際網を投げてコハダをとるところを見ることができました。  ああ、なるほどなと、僕はしんから影響があると思いました。影響がないはずはないと思いました。だから、こうやって議論をさせていただいているんです。  しかし、なかなか反応は厳しゅうございます。本当にあるんでしょうかという意見も確かにある。そういう中で、知事は今回、陸上と同時に海上、船の上に乗って音を体感された。魚がいるわけでもなし、漁をしている現場でもないし、周りはざわついていたし、なかなか想像することはできません。しかし、私は知事に対してもっともっと漁師さんに寄り添いながら、感じていただきたい。  実は、防衛省の皆さんの見解は私と違うんですね。この議会の特別委員会の席でも、参考人招致で防衛省の職員さんがお見えになったときに議論をしました。  しかし、漁業には影響はないでしょうと。あったときには、そのときに考えますというお話だったんですね。びっくりしました。  そして、漁協からの質問書という形で文書で質疑応答がなされています。「海面に浮いてくるコノシロ、シバエビ等が騒音で逃げるのではないか。これらを投げ網等で漁獲する漁への影響があるのではないか。」。  これに対して防衛省の皆さんの答えはこうです。「大型ヘリCH47を運用している木更津駐屯地においても、これまでに周辺の漁業者から航空機騒音が漁業に影響を与えているとの話は出ていないと承知しております。」。  東京湾のコハダ漁はまき網漁船です。うちは投網なんです。まき網はいいでしょう。一網打尽。投網というのは、その一瞬その一点をもって漁をするんですよ。参考にならない。  また、「過去に三沢飛行場等で行った航空機騒音が魚類に与える影響調査の結果を踏まえると、佐賀県においても、航空機騒音による漁業への影響はないものと考えております。」と。そうなんでしょうか。  過去の三沢飛行場で行われた調査の結果を見てみますと、昭和四十九年から昭和五十年の調査の結果です。こう書かれています。  「一番敏感に反応したカタクチイワシにおいては、四十デシベル以上で反転反応を示し、放音停止後──音をもともと録音していて、その音を水中に流したということです。──放音停止後十秒程度で元に戻った。また、水中音圧三十四デシベルでは弱反応を示すが、二十四デシベルでは反応しなかったため、航空機騒音に対する反応の下限値は、水中音圧三十デシベル程度である」ということであります。  要は、カタクチイワシは四十デシベルで反転反応を示したということであります。  まき網漁船だったら、それでも漁獲できるかもしれない。しかし、反転反応を示したということは、影響があるということです。さっき言ったように、投網は一瞬一点をもって漁獲をするわけですから、反転反応があったら影響があると言っているようなものなんです。  この資料をもとに、この結果をもとに影響がありませんという防衛省の皆さんの認識が私には理解できない。知事の見解をお伺いいたします。  三点目、安倍総理の発言に対する確認について、これは六点目の後に回させていただきます。  四点目、防衛省からの要請に対する判断の時期についてであります。  さきの九月議会において、知事は、防衛省のスケジュール感にはとらわれない、しかし、いたずらに引き延ばしもしない。適切な時期に判断すると答弁をされています。  その後、十月九日付の地元紙には、「判断の時期について『そう遠くはない』との考えを明らかにした。」と掲載されていました。  そして、先週金曜日の一般質問で、全体像、将来像について、項目は全部ではないが、ほぼ出そろってきたのではないかという答弁があります。  私は、一定のスケジュール感をお持ちなのかなというふうにこの言動をもって感じました。考慮しなければならないのは、漁業者のスケジュールです。  漁業者の多くは、ノリを養殖されています。準備を十月に始めると、後片づけを四月ということになると、五月から九月ぐらいまでが十分時間を要して議論ができるかもしれない。  さっきの答弁にもありました。佐賀県が一定の判断をすれば、その後、佐賀空港の施設を変えるとするならば、公害防止協定に基づいて事前協議をしなければなりません。真っすぐ事前協議というわけにはいきませんから、事前協議の前に漁協と一定のすり合わせというか、話し合いというのは必要だろうと思います。  とするならば、漁期が終わるまでぐらいには一定判断をされるのかなというふうに私自身は想像をしています。  知事の判断の時期について、改めてお伺いをさせていただきます。  次に五点目です。有明海への影響に対する対応についてであります。  私は、基金の創設が望ましいと思っております。  防衛省に対しては、漁業者の方が不安に思っている、そういう中で、「『万一にも、自衛隊機の運用や駐屯地の管理・運営上により、農業や漁業事業者等に経営上の損失を与えた場合には、関係法令にもとづいてその損失や損害を補償する』とされているが、風評被害による損失等も補償の対象となるのか」という漁業者の質問に対して、「ご指摘のような損失等が生じた場合には、被害の状況等を確認の上、個別具体的な状況に応じて適切に対応してまいります。」と。  このお答えで、質問した漁業者の方は納得をされたんでしょうか。不安感は払拭されたんでしょうか。残念ながら、私はそうは思いません。  土地所有者の多くは漁業者。佐賀空港のメリットは何ですかというと、佐賀空港の半径二キロは住宅地がなくて、そして、南側には有明海ですから、リスク管理としては人の上を飛ばなくていいというお話なんですね。よくわかる。よくわかりますけれども、漁業者の立場からいうと、自分たちが生産活動している上で常に離着陸の訓練をするんですよねと。  そこに対して防衛省の皆さんが誠実に向き合っているかというと、なかなか私はそうは思わない。そうは思わないということは、漁業者の方が承諾しないということです。承諾しないということは、私たちは軽々に判断をすることができないということであります。  漁業者がどういう不安をお持ちなのか、何で不安を持っているかということに対して、もう少し真摯に防衛省の皆さんは向き合わなければならない。  諫早湾の干拓問題が大分もめています。こう言われるんですね。佐賀県側の漁業者は、全てではないけれども、あの調整池からの排水はやっぱり漁業に対する影響がありますよ。しかし、もう一方の当事者、農水省は、漁業被害との因果関係はありませんという認識なんです。  もし今回、オスプレイ等のヘリ部隊が駐留をして何らかの漁業被害があったときに、また今回と同じように、いやいや、今回のヘリと漁業被害は因果関係がありませんと言われたら、もうお手上げということですか。  農地はまだまだ被害が目に見えます。区画が決められた農地に作物をつくって、病気が発生して、何らかの原因で収穫が何割ダウンしました。じゃ、あとは補填をしてくださいねと計算することができるかもしれません。  しかし、漁業はみんなの海です。さっき言ったように、投網は一点一瞬で勝負をしなければならない。ノリもそうですね。  私は、オスプレイが危険だとは思っていません。ドクターヘリと何ら変わらない。だから、墜落することは想像していません。絶対とは言いません。確率はゼロではないけれども、ゼロに近いところにあるんだろうと。  ただ、オイルが漏れました。ただ、部品が落下しましたということは、僕はあり得るだろうと思っています。  そんなときに、風評被害が起きたときに、本当に補償してくれますか、因果関係を認めてくれますか。なかなか信用できないというか、何となく漁業者の皆さんの気持ちが前に進まないというのは、私はよく理解できます。ということを考えれば、漁協ないし佐賀県も交えたところで基金を創設するんです。何かあったら、被害があったらこの基金を取り崩して皆さんの補償、皆さんの補填、皆さんの対策事業に充てますということをきちっと整備することができれば、私は漁業者の方も一定納得していただけると思っております。  私は総論賛成です。各論課題を抱えているんです。二十軒の漁業者の方が、坂口君、私は絶対反対よと話をされるんです。なぜなら不安だからです。この課題に対して私たちは向き合わなければならない。私たちは、この課題をきちっと解決しなければならない。そうしないと前に進めないんです。基金の創設について、知事の口から防衛省に対してきちっと要請すべきだというふうに私は思っています。  次に六点目、オスプレイなど自衛隊機の着陸料に係る佐賀空港条例の改正についてであります。  佐賀空港の運営は厳しい状況が続いています。昨年度、平成二十七年度は一億七千万円の赤字、十八年が経過をして、累計四十二億円の赤字、これからLCCの拠点化で頑張りますよ、よくわかります。空港を運用する背景というのは大分変わりました。十年前はLCCとか予想もしていなかった、想像もしていなかった。しかし、LCCがこれだけ普及している。そして、東京便の搭乗率も格段に上がっているということを考えれば、佐賀空港に今期待をすべきだ。ここに投資をして、佐賀空港の飛躍のチャンスにすべきだ。よくわかる。  しかし、一方で、LCCは今補助をして運行をしていただいています。補助がなくなったとき、補助が打ち切られたときに春秋航空は、ティーウェイ航空は本当に路線を拡大してくれるのかという不安を抱えたまま、佐賀県は八十億円を投入して二千メートルの滑走路を二千五百メートルに延長したいという表明をされました。ここは厳しくチェックはしていかなければなりませんけれども、応援もしていかなければなりません。  そういう中で、もし共存共栄できるのであれば、民間航空機、そして自衛隊機を受け入れをした場合、これはもしもの場合ですね、きちっと共存共栄を図ることができるのであるならば、私は佐賀空港条例着陸料の定義を見直すべきだと思っています。  今はほぼ重量で決まっているんですね。例えば東京便、全日空機は定額十二万円、三分の二を助成して、今収入としては一回当たり四万円です。対して、例えば、一回目に試験飛行を行ったコブラ、AH1、あれは重量が五トンしかないんですね。佐賀空港条例では六トン未満は一律千円なんですよ。コブラが何回着陸しても一回千円、じゃ、オスプレイは幾らかというと、約一万五千円。  じゃ、トータル幾らになりますか。名古屋空港は県営空港で自衛隊と供用をして、年間一万三千回離発着、収入は幾らですか、十億円です。ああ、佐賀県はじゃ、一万七千回ですから、これは十億円を超えた。助かりますねと話をしていたら、いやいや、重さですから、実際は試算をしてみると約四千万円ですというお話なんですね。  佐賀空港のリスクは何かというと、民間航空機の運用に対して支障を与えない。じゃ、支障を与えないという定義は何か、それは利用時間です。決して重さではない。確かに滑走路の傷みというのは重量が重いと傷みぐあいが激しくなって、そこにかけるお金も必要になるでしょう。しかし、民間航空機の離発着がふえようとするときに、自衛隊機は一日六十回ですから問題ないという話ですけれども、要は佐賀空港の発展のリスクとしては利用時間なんですね。重量では決してないということを考えれば、例えば、機種によって違いますけど、離発着に一回三分かかるようであったら三分代、五分かかるであるならば五分代、要は一回当たり幾らという条例の見直しも必要ではないのかなというふうに思っています。なかなかお金の話なので聞きにくいことでありますけれども、佐賀空港の発展には当然必要な議論だと思っています。知事の見解をお伺いいたします。  最後に三点目、総理の発言に対する確認についてであります。  中本議員の質問に対して知事の答弁、当初は三点の要請があった。オスプレイ十七機、目達原駐屯地から五十機で、米海兵隊の一部の訓練移転、海兵隊の訓練移転は取り下げますということで、オスプレイ十七機と目達原駐屯地の五十機の駐留、この二点だけの要請で間違いないですねということを確認しに行きますという答弁でありました。ただ、それだけを確認しに行くのかということは、普通に考えればあり得ないですね。防衛大臣、また官房長官の方々がもうきちっと見解を述べられていますので、今さらそこだけを確認しに行かれるのかなということなんですね。  沖縄の負担を全国で分かち合う前提で一つの例示だった。これ以外に総理からの答えはないでしょう。すると、想像すると、知事がその答えを受けた後に、総理は何と言うだろう。会えるか会えないかはよくわかりませんけれども、普通だったら、それでは、この二点について佐賀空港で引き受けてください、山口知事さん、よろしくお願いしますと総理が発言をされたら、山口知事はどういうことを返すんだろう。はい、わかりましたとも、はい、わかりませんとも多分言えないでしょう。私は、佐賀の事情をきちっと訴えるべきだと思っています。  さっきの五点目の基金案の創設、漁業者が不安に思っています。また、佐賀空港もこれから民間航空機を柱に発展していこうと思っていますので、着陸料、佐賀県の条例だから勝手に決めていいという話ではないと思います。私が想像つくのはそれくらいですけれども、佐賀の事情等についてもきちっと訴えをしていくべきだと思っています。知事の見解をお伺いいたします。  二項目めです。「玄海原子力発電所の再稼働に関して広く意見を聴く委員会」について。名前が長過ぎますので、基本的には玄海原発の再稼働に対する第三者委員会の設置についてであります。  私はこれを聞いたときに、ちょっと複雑になり過ぎはしないかなと感じました。やっぱり物事を決めていく上では、制度的にはモアシンプルのほうがいいと思っています。なぜ今さら第三者委員会を立ち上げなければならないのか。確かに、マスコミから追及をされると、もうあんた九州の佐賀県と鹿児島県だけですよ、第三者委員会ができていないのは。もう鹿児島県もつくると言っていますから、あとは佐賀県だけですよ、それでいいんですか、県民の意見は聞かなくていいんですか。専門家は大丈夫ですかということを問われれば、「じゃ、うちもつくらなきゃならないですね」となることはよくわかります。  しかし、もう知事は提案事項説明の中でも、「原子力規制委員会において規制基準が求める安全性が確認され、住民の理解が得られた場合には、再稼働はやむを得ない」ともう腹をくくられているんですよ。  そういう中で、また新たに第三者委員会、今知事が意見を聞く場所が二つあります。  一つは、山口知事が設置をされたGM21、十市十町の首長さんとの意見交換会、この十市十町の首長さんは一番の民意の代表であります。民意の代表の皆さんと意見交換ができる。  もう一つは、佐賀県原子力環境安全連絡協議会なるものが佐賀県には設置してあります。佐賀県からは知事、県民環境部長、県議会からは議長、文教厚生常任委員長、原子力安全対策等特別委員長、玄海町からは町長、議長、ここも特別委員長、唐津市からも市長、議長、特別委員長、伊万里市からも市長、議長。そして、漁業者からも沿岸の漁業者、組合長であったり女性部の方であったり五名、また、農業団体からも来られています。また、地域の婦人会、医師会、商工会、PTA、そして、現役の男女の高校生も参加されています。  私は昨年、文教厚生常任委員会を代表してその会議に出席して、往復四時間もかかるのに大変だなと思いながらも行ってきました。しかし、物すごく実のある協議会でした。皆さんがそれぞれの立場で、原発は事故が起こらないという前提で運転状況であったり、放射能の状況であったり、原発から出る温排水の状況であったり、ここは一定確認すればよかった。しかし、当然三・一一以降は事故がいつ起こるかわからないということを前提に皆さんがそれぞれ意見を出し合われていました。往復四時間が全く苦にならなかったほど有意義な会でありました。これこそ住民の代表の意見であります。  住民説明会はあっていいんですよ、住民説明会はあっていい。しかし、新たに専門家の意見を聞きたいんであるならば、聞きに行けばいいと思う。現に、この協議会の前では、専門家の意見は今でも聞いているんですよ。具体的に原子力規制委員会以上の専門家がいるのか。いるんであるならば、マンツーマンで聞きに行けばいいと思う。住民の意見は十分聞いているし、これからも聞く、そして専門家の意見は新たに聞けばいい。新たに三千万円の予算を投じて第三者委員会を新たに立ち上げるという意味が何となく制度上複雑になり過ぎる。責任の所在がわかりにくくなるような気がしています。知事の見解をお伺いいたします。  三項目めです。ピロリ菌検査についてであります。  これは、知事に初期の胃がんが見つかったことによって創設された事業であったと思います。僕はこれはこれでよかったなと思ったんです。中学三年生へのプレゼント、すごくすばらしい。胃がんの八割はピロリ菌が原因だ。そしたらピロリ菌を除去すれば胃がんの八割はリスク軽減できる。諸説ありますけれども、基本的にそういう状況であります。  するならば早いほうに、十五歳からその除去の薬を飲むことができるんであるならば、十五歳で飲んだほうがいい。当たり前ですね、僕もそう思いました。ピロリ菌というのは基本的に幼少期のときにすみつくことになりますので、早く除去したほうがいい。長くいればいるほど胃は当然傷むわけですから、早いほうがいいと私も九月議会のときには思っていた。  その後、私自身も、もう四十六年間井戸水を飲み続けていますので、ピロリ菌検査を受けにいきました。多分陽性なんだろうと思って行ったら陰性でした。意外だなと思って、僕は四十六年間井戸水を飲んでいるんですけど、何で陰性ですかと聞いたら、いやいや、若い人はなかなかピロリ菌はおらんとよという看護師さんの話なんですね。いやいや、うちは中学三年生を対象にしていて、僕は決して四十六歳だから若くもないのになと思いながらということなんです。お医者さんに、僕ピロリ菌検査で陰性だから、基本的に八割のがんはならないんですよね、もうピロリ菌がここに住みつくことはありませんよねともう一回確認したら、いえいえ、そんなことはありません、定期的に検査をしてくださいという話なんですね。聞いてきた話とちょっと違うな。まあ可能性の問題だと思うんですね。十五歳で除去すると、その後にピロリ菌がすみつくことはほぼないだろうということになります。その辺の正確なデータはわかりません。  ただ、対象をやっぱり成人、成人の皆さんが検査をしなければならない一番の目的は、医療費を抑制させなきゃならないということにあるんだろうと思っています。とすれば、普通胃がんにかかる人、山口知事は早いほうですね。基本的に五十とか六十歳になれば、胃がんの発症リスクというのは高くなって、若いうちはそうそうないということを考えれば、やっぱり二十代とか三十代とかにその検査を受けた。そして陽性の場合は、そのときに除去したほうがより効果的だろうというふうに思ったんです。だから、中学三年生で満足することなく、成人者の皆さんに対しても啓発をしなきゃならない。
     例えば、一番はピロリ菌、中学三年生が検査を受けて陽性だった。すると、この両親は当然ピロリ菌検査をしなきゃならないんですね。同じ井戸水を飲んでいるかもしれない。基本的には口移しで結構うつっていますねというお話をすると、御両親のどっちかが口移しでピロリ菌をうつしたということになりますので。この五%の子供が陽性であるならば、その親は当然検査を受けなきゃならない。実態はどうなっているんだろう。子供みたいに全てを補助することができませんので、任意でしょうけれども、僕は最低限そういう活動というのは必要なんだろうなというふうに思っています。  知事の肝入りでありますので、ピロリ菌、十五歳に対象を限定した理由、そして今後、成人者に対する検査の啓発の取り組みについてお伺いをいたします。  四項目めです。中山間地域等直接支払制度についてであります。  きょうの佐賀新聞にうれしい記事が載っていました。今、知事が就任してから中山間地域、離島、県境、この地域を振興するための特別本部をつくるということで活躍をいただいて、コハダも頑張りますよ、中山間のイノシシも頑張りますよというお話を聞いていて、私もすごく頼もしく思いました。  きょうの佐賀新聞に、江戸前産地、この辺で言うと、コノシロとかツナシとかって何となく安い魚のイメージがありますので、「『江戸前』産地アピール」ということで、漁業者の奥さんたちに対してコハダの付加価値をつけましょうよ。コハダを佐賀県民の皆さんに食べてもらうような工夫をしましょうよ、これはすごくいいことですね。これはもうすごく感謝をしているし、評価をしなければならない。  中山間地域等直接支払制度、実は、うちの近所の生産組合長会議の会長さんから、この制度を十二年前に創設をされて五年刻み、平成二十七年から第四期目を迎えて、当初は物すごく喜ばれていました。今も喜ばれています。中山間地は厳しい、そういう中で、皆さんが草払い等の作業に対して、農地を農地として維持するために、こうやって交付金をいただくのはみんなの励みになって、みんな協力して農地を農地として維持させるために、草払い等いろんな地域活動を頑張っていますよ、喜ばれていました。  しかし、平成二十七年、我が太良町には三十の集落協定があって、そのうちの九が解散されていました。びっくりしました。あれだけ喜ばれていたのに何でと思いました。佐賀県でいうと五百四十二が四百九十三、マイナス四十七、鹿島はまだ頑張っていて、三十六が三十五、マイナス一。それぞれの地域で微減。一期、期待の中で加入集落協定数がふえた。二期、三期と頑張った。十五年経過した上で、四期目で少し減りつつあるんですね。これを踏まえて、農水省が多少緩和をしました。何でこれだけ減ったかというと、制度運用が少し減額されたからですねとか、確かにそういう面もありました。  例えば、これまでは、一人が抜けたら全員分の補助金を返還しなければなりませんということについて、少し緩和される。それが今年度から、ここはよかったなと思います。しかし、この協定は本来拡大していかなければならない。しかし、我が地域では三十分の九が解散してしまった。私も責任は感じますけれども、じゃ、何ができるか。農地を農地として守ることはとても大切なことです。農地の維持保全とても大切。とすれば、私たちは具体的に制度設計を見直していかなければなりません。皆さんが参加しやすい制度というのはどういうものか。  一番わかりやすいのは単価のアップです。例えば、水田は十アール当たり急傾斜で二万一千円、緩傾斜、緩やかなところで八千円。畑地で言うと、急傾斜は一万一千五百円、緩傾斜では三千五百円。急傾斜というのは、実はそう多くなくて、面積的には緩傾斜が多かったりですね。ですから皆さん、高齢化をしている中で、この金額では耐えれないのかなというふうに思います。畑の三千五百円というのは余りにも安い。  だから、私も農水省の方と議論をするときには単価のアップをお願いしています。多分、面々それぞれがお願いをしている状況にあると思っています。しかし、やっぱりこの中山間地を抱える都道府県が一致団結してもっと声を大きくしていかなければならない。その先頭に山口知事になってほしいと願っています。  取り組みの状況、また減少要因について、そして今後の取り組みについて、今回は農林水産部長にお伺いをいたします。  五項目めです。有明海における水産資源の回復についてであります。  関係者の御努力のおかげで、アゲマキ、三十年弱ですね、私が二十歳ぐらいのときに全滅をしたんですね。それからもう二十数年。今皆さんが努力をされて、佐賀県の水産試験場も努力をされて、卵を産ませて放流する技術が佐賀県にはあるんですね。そして、地道にしているおかげで、もう十センチぐらいまで成長しているという報告を受けています。あとは自然発生です。みずから卵を産んで繁殖をしていく、そういう状況になれば漁業生産につながっていくんだろうと思います。  そして去年は、アサリが久しぶりに顔を出しました。アサリも順調に育っているという報告を受けています。  今回はタイラギとカニについて少しお話をさせていただきたいと思います。  まずはタイラギです。  佐賀県は、有明海は広うございますので、基本的に五十五の地点をもって、実際に潜って調査を行っているんです。今、生息状況はどうか。ことしの三月の時点で、一平方メートル当たり八個タイラギがいた。みんな喜んだ。ああ、ことしはタイラギ漁ができますねって話になった。六月になりました。一平方メートル当たり一個から二個に減少していました。十月になりました。全滅です。ゼロということになりました。  ナルトビエイが原因だと言われています。私は全てがそうだとは思いません。しかし、確かに気温が、水温が高くなる五月になったら、ナルトビエイが回遊、外の海から有明海に入ってくる。そして、十月とか十一月に有明海から出ていく。五月の時点で一網打尽にできなかったのかなとも思いますし、何よりも、私が漁業者の皆さんと話をすると、すごく落胆されているんですね。  私の友人も港湾工事の仕事で多くの方が出稼ぎに行っている。タイラギがとれたら、その冬場だけの時期でも帰ってこれるんです。港のにぎわいを取り戻せる。しかし、残念ながら、ことしも港のにぎわいは戻らないことになりました。  調査をして、検証をして、研究をして、対策を打つ。結果、水揚げができる。このサイクルがうまく回らないんですね。  私たちも漁業者の方と話をすると、いろんな対策、もっとこがんすればよかさという意見をたくさんいただきます。もっと調査のあり方を、このサイクルを根本から考え直す。できることは限られていますので、見直すことはできないのかもしれませんけれども、考え直すことはできるかもしれない。要は、水産の試験場というか、研究者の皆さんたちと漁業者の皆さんたちがもう少し力を合わせる環境をつくらなければならないと思っています。  毎月調査が行われる。五十五地点であるならば、言葉とか文章はすごくわかりにくい。しかし、画像とか映像をもって今こういう状況にあるということを考えれば、なるほどと。みんな今、生産できないから、海のプロの漁業者たちも、今、潜ることはできないんですよ。私たちも当然潜ることはできない。誰にもわからない。活字では伝わらない、共有することができない。  とするならば、もう少し漁業者に寄り添って、今、調査の結果、こういう状況にありますよ、そこを漁業者と共有をして、じゃ、どうすればいいでしょうかねという検証とか研究も漁業者を巻き込む。一部ではいけません、できるだけ広範囲の漁業者を巻き込む。そして、一緒に対策を考えるということになると、もう少しうまくいったりするのかなということも考えます。  これも、私も第三者というか素人考えですから、結論ではありませんけれども、もう少しやっぱり、研究者と漁業者がタッグを組んだほうがよりよい成果が上がるのではないのかなというふうに感じたまでであります。  モガイの殻を粉砕して海底にまく、そして海底耕うんをする。同時にナルトビエイを駆除するということが今の取り組み内容であります。足らないとするならば何なんだろうかということをもう少し英知を集めなければならないというふうに思っています。  次がカニですね。  僕は有明海のワタリガニ、この竹崎カニが日本で一番おいしいと心から思っています。北海道に行くと毛ガニやタラバガニ、確かにおいしい。日本海に行くと、それぞれのブランド名でおいしいカニが提供されています。確かにおいしい。しかし、ああ、やっぱりこの竹崎カニが一番おいしいねと心から思うんです。しかし、なかなか水揚げは順調ではありません。そういう中で、多くの皆さんが漁協、太良町、佐賀県、努力をしていただいております。  例えば、佐賀県で言うと、カニ一匹、あの内子は食べていいんですよ。内子というのはとろっとしてすごくおいしいですね。けど、内子から産卵前は外子になります。外子というのは、基本的にここに二十万匹の卵がいますんで、基本的に抱卵しなければならない。その抱卵した卵を水槽で大きくして、C3といって、一センチから二センチの大きさまで育てて海に放流している。これは佐賀県、とても努力をしていただいている。そして、漁業者も黙ってはいません。旅館業者もそうですね。抱卵、その外についた卵を自然の海に帰そうよと言って取り組みをしている。  ことしの六月は、これから大きくなる産卵期であるカニをふやすために休漁、漁をすることをやめましょうという期間を設けて、結果なのかわかりませんけれども、ことしの秋口はすごく豊漁でした。すごくよかったと思っています。  佐賀県も今、援護射撃として努力をしていただいていますんで、太良町も旅館業者も小さな予算、漁業者も小さな予算を使っていますんで、ここを加速化するために佐賀県の後押しをいただきたいと思っています。  最後、六項目めです。国が長崎地裁に提出している基金案に対する知事の見解についてであります。  ことしの一月から三者、国、漁業者、営農者が和解をするための協議会が始まりました。先日、基金案の内容が提案されました。百億円。百億円を使って有明海を皆さんの手で再生をしてみませんかということなんですね。  うーん、僕はこの基金案は成立しないと思っています。なぜなら、これは四県の漁業者ないし原告団、開門の権利というのは原告団がお持ちですから、この双方が納得しなければ、和解というのは成立しないんですね。どう考えても成立するわけがないと思っています。そういう内容だと思っています。  そもそも、長崎地裁がこの和解協議を提案されたこと自体に私は違和感を覚えているんです。佐賀地裁と長崎地裁の意向が真っ向分かれました。佐賀地裁は開門せよ、長崎地裁は開門するな、そこに対して、片方の主張をした長崎県側が和解案を提案する。公平な和解案であるならば、それはそれでありがたい話になったのかもしれません。しかし、なかなかそういうわけにはいかない。開門しないということを前提に和解案、有明海の再生事業が示されました。  意味がわからない。裁判所の権限を越えた行為ではないかというふうに私自身は感じています。和解をさせるならば、当事者同士きちっと話し合えるような、なかなかそれも難しいかもしれませんけれども、和解というのは当事者の意見をぶつけ合って初めて成立するものですよ。片方の意見を持ち出して和解案を提出するなんてものが最初から成立するわけがない。  いや、これはまだわかりません。答えは出ていません。僕はあってはならないと思っています。  知事も和解案、それぞれの当事者が今、協議をしている最中でありますので、賛成だ反対だとは言えないかもしれませんけれども、やっぱり佐賀県の代表者としてもう少しはっきり明確に意思表示をすべきだというふうに私は思っています。私は、あってはならない和解案だと思っています。  以上、質問とさせていただきます。(拍手) 8 ◎議長(中倉政義君) 暫時休憩します。     午前十一時五十四分 休憩 平成二十八年十二月五日(月) 午後一時一分 開議  出席議員    三十五名     一番  井 上 祐 輔     一六番  内 川 修 治     三一番  竹 内 和 教     二番  青 木 一 功     一八番  藤 崎 輝 樹     三二番  石 井 秀 夫     三番  木 村 雄 一     一九番  向 門 慶 人     三三番  留 守 茂 幸     四番  西久保 弘 克     二〇番  坂 口 祐 樹     三四番  石 丸   博     五番  池 田 正 恭     二一番  宮 原 真 一     三五番  木 原 奉 文     六番  井 上 常 憲     二二番  原 田 寿 雄     三七番  石 倉 秀 郷     七番  中 本 正 一     二三番  岡 口 重 文     三八番  桃 崎 峰 人     八番  野 田 勝 人     二四番  大 場 芳 博     九番  江 口 善 紀     二五番  指 山 清 範    一〇番  古 賀 陽 三     二六番  土 井 敏 行    一一番  川 崎 常 博     二七番  武 藤 明 美    一二番  定 松 一 生     二八番  稲 富 正 敏    一三番  八 谷 克 幸     二九番  徳 光 清 孝    一四番  米 倉 幸 久     三〇番  藤 木 卓一郎 欠席議員    一名    三六番  中 倉 政 義 欠  員    二名 地方自治法第百二十一条による出席者          知       事    山  口  祥  義          副   知   事    池  田  英  雄          副   知   事    副  島  良  彦          政  策  部  長   落  合  裕  二          総  務  部  長   大  田  芳  洋          地域交流部長       坂  本  洋  介          県民環境部長       山  口  康  郎          健康福祉部長       藤  原  俊  之          産業労働部長       石  橋  正  彦          農林水産部長       御  厨  秀  樹          県土整備部長       和  泉  惠  之          危機管理・報道局長    大川内   直  人          文化・スポーツ交流局長  白  井     誠          男女参画・こども局長   川久保   三起子          会 計 管 理 者    西  山  和  紀          公 安 委 員 長    溝  上  泰  弘          警 察 本 部 長    逢  阪  貴  士          教   育   長    古  谷     宏          人 事 委 員 長    大  西  憲  治          人事委員会事務局長    社  頭  文  吾 職務のため議場に出席した事務局職員          議会事務局長       久  本  智  博          同    副事務局長          議事調査課長事務取扱   毛  利  明  彦          総  務  課  長   江  島  秀  臣          政務調査室長       白  濱  光四郎          議事調査課参事      篠  田  博  幸          議事調査課議事担当係長  原     康  祐          同    議事担当主査  井  上  智  宏         ○ 開     議 9 ◎副議長(桃崎峰人君) これより会議を開きます。  午前中に引き続き、一般質問を行います。  坂口祐樹君の質問に対する答弁から開始します。 10 ◎山口知事 登壇=坂口祐樹議員の御質問にお答えいたします。  まず、オスプレイへの体験搭乗についてお話がございました。
     これは先ほど向門議員に対してもお答えいたしましたけれども、私正直言って、今回のデモフライトで、実機に乗るという意識は全くなかったんですね。今回は本当に多くの皆さん方から「実際飛ばさんばわからんよね」という声に応えて、その後どれだけの影響があるのかという、まずどれだけの音なのか、私はとまっているやつはあるんですけれども、オスプレイが動いている姿というのは全く見たことがなかったものですから、どの程度の音が出るもんかなということで、一番近い住宅地がある西干拓のところに行こうと思い立ったことと、これは坂口議員もおっしゃっていましたけれども、漁業者にとっては実際漁の場なんだと、まさにそのとおりだと思いますので、海に行って、漁を営んでいる皆さん方の中に入って、真上を飛ぶ影響というものを、という意識はかなり強くて、実際乗りますかという話もあったんですけれども、「えっ」というか、もう一瞬にして「それはよか」というような判断だったんですね。  ですから、それでも私が本当に乗るということに、先ほど安全性の問題もありましたけれども、乗ること自体に私は全くやぶさかではないので、もしそういう機会がこれからあるとするならば、乗るということも考えていきたいというふうに思います。  続きまして、コハダ漁への影響についてです。  私、坂口県議がコハダとおっしゃっていましたよね。すごい何かちょっと不思議な感じがいたしまして、私が何でこれに気づいたかというと、東京にいたときに、すし屋に行くと、このコハダは佐賀産ということをよく聞いたわけでありまして、「えっ、佐賀でコハダ」って思ったことと、あと、すしのテレビ番組で結構佐賀産のコハダという話が出てきました。何か私も勉強不足で知らなくて、ああそうかと。でも、こっちに来てみると、コノシロといって、どちらかというと大味、むしろまだ若いときというか、シンコとかコハダのときはもう東京に出してしまうからさという話も聞いて、それはここで生で食べたらいかにおいしいんだろうかというふうな思いになったりとかしたわけでありまして、今、現場のほうで、うちの職員たちと一緒にああでもない、こうでもないと考えて、地域の産品として考えていきたいというのは私も非常にうれしく思います。  長崎にいたときに、長崎のすし屋ではほとんど赤身が出ない。それは白身がうま過ぎるから赤身はここでは食べないという話をよく聞いていて、やはりとれる現場でのみんなの思いと消費地というところとは全然違うんだなというふうに思うので、逆に消費地の皆さん方に来ていただこうとするならば、こちらとしてはしっかりマーケットをして考えて、こっちならではのものができるんではないかなということで非常に期待を大きくしているところであります。  ということで、実際私も太良に行ったときに、この自衛隊機の音でコノシロが逃げるんではないかというふうな声も直接漁業者からお伺いしましたし、そういった声があるのも承知しております。この航空機の音がコノシロ漁へどのような影響を与えるのかということについて、私には知見がございません。これまでの県や有明海漁協、そして九州防衛局との質問、回答やりとりの詳細につきましては、政策部長から答弁させたいと思います。  続きまして、防衛省からの要請に対する判断の時期についてというお尋ねがございました。  私は、判断時期については、防衛省のスケジュール感にはとらわれない。しかし、いたずらに引き延ばすこともしないというふうに答弁してまいりました。  そして、御指摘がありました「判断の時期について『そう遠くはない』」という私の発言の真意は、私が知事に就任して以降、これまで計画の全体像、将来像の明確化のための精査、確認作業、漁協との共同確認作業など、さまざまなことに取り組んでまいりました。もう就任してから約二年弱がたとうとしておりますけれども、その間、取り組んできたことと比較すると、今後取り組むべき事項として、検討すべき課題として残されたものはある程度限られているんではないかということを感覚的な意味で申し上げたものでございます。ですから、今までの山口県政になってからの時間に関していえば、ある程度限られているというふうな意味で申し上げたということでございます。  そして、今後残された課題につきましては、これは中本県議さんとか向門県議さんのときにもお話しさせていただきましたけれども、主に三点を申し上げさせていただいたところであります。特に一般地権者を対象の説明がまだなされておりませんので、その一点と、さらに四回目の質問に対する回答や、住民説明会で出された質問や疑義に対する防衛省の説明内容などについて今確認、精査中だということですから、その検討によっては再度質問させていただくことがあるということ、そして総理への確認ということになりますが、いずれこの三点は、今後判断するに当たって必ず踏まなければいけないプロセスだと私自身考えているところであります。  そして、漁業者の漁期が終わるまでというお話もございました。  御承知のとおり、この検討に当たっては、さまざまな相手があってだと思っています。ですから、国でありますとか、場合によっては防衛省さんもそうですし、漁業者の皆さんもそうですし、それぞれ相手があってのことなので、私のほうでスケジュールを組み立てるということはできないわけでありますから、明確なスケジュールというのはそういう意味で見通せないものだというふうに考えております。  いずれにいたしましても、プロセスを大切にして、判断するための環境を整えながら、しかるべき時期に後世にきちんと説明できるような判断をしたいと思っています。  続きまして、有明海への影響に対する対応で、基金のお話がございました。  坂口議員からるるお話しいただきまして、私も多くの漁業者と話す機会が多いんですけれども、よくわかる点もあります。同感できる点も多いということは申し上げたいと思います。さらに、オスプレイの自衛隊機の着陸料に関してのお話もございました。これもさまざまな御提案ありましたので、承っておきたいと思います。  ただ、今回の防衛省からの要請につきましては、今御説明いたしましたように、今、受け入れの可否を判断する段階に至っておりません。そういう中にありまして、例えば、受け入れを前提とした基金の創設を国に対して働きかけたり、自衛隊機の着陸料に係る佐賀空港条例の改正についての議論を行うような局面にないことを御理解いただきたいと思います。  続きまして、総理に対する確認についてお話がありました。  防衛省から本県に対して具体的に要請されていることは、これまでのやりとりにおきましても、自衛隊オスプレイの配備に伴う佐賀空港の利用、それから目達原駐屯地ヘリ部隊の移転に伴う佐賀空港の利用の二点であることは確認してございました。そして、官房長官からも例示だというお話があったことも承っております。  ただ、この佐賀空港の米軍利用の関係につきましては、さまざまな場面で県民の皆さん方から指摘をされていた事項でもありますので、これまで防衛省と確認をさせていただいたことに変わりがないことについて、総理御自身に直接確認することが何よりも必要だと私は考えております。  続きまして、「玄海原子力発電所の再稼働に関して広く意見を聴く委員会」についてお尋ねがございました。  原子力発電につきましては、県民の皆さんからできるだけ多くの方々の意見をお聞きしたいと考えてきたところであります。  議員からもお話ありましたけれども、私も当初は委員会の設置ということは考えていなかったわけです。先般同じ九州電力の管内で鹿児島県において委員会の設置が表明されたという状況があって、全国を見て、本県に委員会がないんだということを県民が不安だという声も私も伺って、そういうことであれば、私は委員会ということじゃなくて、もっともっと広く話を聞こうと思っていたけれども、そういう委員会がないということをもって、我々が県民の不安に寄り添うということがないというふうに誤解されることは私の本意ではないというふうに思いました。ということで、広く県民からの意見を聞いていく一つの方策として、各方面から皆さん方に集まっていただいて、委員会という形で検討したものでございます。  この委員会は、県内各界の代表者及び学識経験者から玄海原子力発電所の再稼働に関して、さまざまな観点からの意見や専門的なアドバイスをいただくことを目的として設置するものでございます。  なお、既に設置している佐賀県原子力環境安全連絡協議会、これは議員もこの前出ていただきました。玄海原子力発電所の運転管理状況ですとか、発電所周辺の環境放射能調査結果ですとか、温排水の影響調査結果をみんなで共有しようとか、そして周辺地域の情報把握という、発電所の現場に非常に近い皆さん方に集まっていただく会でありまして、私も地域の現場感を持つことは大切だと思って、毎回出席をさせていただいているところでありますけれども、今回の委員会とはその目的が異なることから、今回は別途新たに立ち上げたほうがよいというふうに考えたところでございます。  続きまして、国が長崎地裁に提出している基金案に対する知事の見解についてということでございます。  有明海の再生は、漁業者を初め、県民の切なる願いだというふうに思います。そして、有明海再生のための基金について、これまで有明海沿岸の漁業者が、和解協議とは関係ないことを何度も何度も確認した上で議論をしたにもかかわらず、今回、国が長崎地裁に開門しないことを前提の基金案としてこれを提出したわけでありまして、このことは和解協議とは関係ないものとして再生事業について議論を続けてきた漁業者の方々に混乱を招いているものだというふうに思います。  この件については、はっきりしていないと議員おっしゃいましたけど、私は常々はっきりしているつもりなんです。もともと平和に有明海で漁を営んでいた皆さん方が、突然そういった公共事業によって影響を受けて、その中で自分たちとしての意見を言ってきて、判決が確定したにもかかわらず、それがなかなか履行されないという漁業者の思いということに関していえば、私もじくじたる思いがありますし、今回の国の対応ということに関しても、強く問題があるんではないかというところは申し上げてきたつもりであります。  我々の思いは、あくまでも有明海の再生でありまして、国は真摯に漁業者に向き合って、しっかりと議論しながら、有明海の再生に向けて取り組んでいくべきだというふうに確信しています。県としても、一日も早く宝の海を取り戻したいという漁業者の気持ちを大切に、有明海の再生に向けてしっかりと取り組んでいきたいと考えております。  私からは以上でございます。 11 ◎落合政策部長 登壇=私のほうからは、佐賀空港の自衛隊使用要請についての質問のうち、オスプレイなどの自衛隊機の騒音によるコハダ漁への影響について、知事答弁を補足させていただきます。  自衛隊が配備されます航空機の騒音が漁業に与える影響につきましては、県から防衛省に対して行ってきました質問の中の一回目、二回目の質問、あるいは有明海漁協から防衛省に対して出されました質問の中で確認をしてきております。  その中で、防衛省からの回答につきましては、先ほど議員のほうからも詳しく御紹介がありましたけれども、十月に漁協に対して防衛省からあった回答を引用させていただきますと、防衛省のほうでは、過去に三沢基地飛行場等で行った航空機騒音が魚類に与える影響調査の結果を踏まえると、佐賀県においても航空機騒音による漁業への影響はないものと考えているといったこと。また、民間空港、これは関西国際空港と中部国際空港ですけれども、その建設時に同種の調査を行った例を調べたところ、漁業への影響はないという結果だったということ。また加えて、大型ヘリCH47を運用しております木更津駐屯地においても、これまで周辺の漁業者から航空機騒音が漁業に影響を与えるとの話は出ていないと。こういったものを踏まえて、防衛省からの回答では、地元の漁業者の皆様が心配されている航空機騒音による漁業への影響はないものと考えているというのが現在のところの回答になっております。  ただ、同じ回答の中で、防衛省のほうからどのようなものをお示しすれば、地元漁業者の皆様の不安を解消できるか相談させていただきたいということも書いてあります。  したがいまして、これまで、先ほど議員のほうからも御説明がありましたように、有明海における投網によるコハダ漁というのは非常にデリケートなものだという御紹介がありました。そういったものに対して影響があるのかないのか、そういったことについての直接的な説明というのは防衛省から受けていないというふうに考えております。  今回、オスプレイデモフライトを実施してもらいまして、漁業者の皆様にもその騒音というものを体験していただいたと思っております。現在、有明海漁協で進められております精査、確認作業の中で、改めてこの騒音の問題について説明、調査を求めるような声が上がってくれば、県といたしましても、防衛省のほうにしっかりと伝えてまいりたいと考えております。  以上です。 12 ◎藤原健康福祉部長 登壇=私からは、ピロリ菌検査についてお答え申し上げます。  まず、ピロリ菌検査の対象者の選定理由についてのお尋ねがありました。  今回の事業におきましては、検査の対象者を中学三年生に選定した主な理由は三つでございます。  一つは、ピロリ菌の除菌は胃粘膜の萎縮が進行していない、できるだけ若いうちに実施することが胃がん予防に効果的であるためです。  二つ目は、除菌の治療薬、これは七日間、朝晩二回服用するものでございますが、十五歳未満の小児に対する安全性が確立していないためであります。  そして三つ目は、他県の市や町で中学生や高校生を対象に実施された類似の取り組みの結果を踏まえ、義務教育期間中のほうが、陽性と判定された場合に除菌治療まで結びつく割合が高くなると考えたためであります。  この事業の実施により、「子育てし大県”さが”プロジェクト」に取り組む本県として、佐賀の子供たちの将来の胃がんのリスクを減らすことができ、さらには佐賀県が子供たちを大切にする県であることのメッセージにもなると考えているところであります。  次に、成人に対するピロリ菌検査についてお答えいたします。  県では、今申し上げましたとおり、ピロリ菌の除菌はできるだけ若い時期に行うほど胃がんの予防効果が高いと言われていることなどから、中学三年生を対象に取り組んでいるところでありますが、一方で、成人に対する胃がん対策といたしましては、国の指針に基づき、胃部エックス線検査や胃内視鏡検査による胃がん検診の受診促進に重点的に取り組んでいるところであります。  また、御指摘のありました成人に対するピロリ菌検査及び除菌治療については、胃がん予防に一定の効果があると考えております。このため、今回の「未来へ向けた胃がん対策推進事業」におきましては、ピロリ菌に感染している生徒の場合、その親も感染しているケースが多いことから、親自身の感染について相談があった際には、治療を行う医師からピロリ菌検査を勧めてもらうこととしております。  県といたしましては、この「未来へ向けた胃がん対策推進事業」を通じ、ピロリ菌と胃がんの関係について、県民の理解が深まるようさまざまな機会を捉えて啓発してまいります。  私からは以上でございます。 13 ◎御厨農林水産部長 登壇=私からは、二項目についてお答えさせていただきます。  まず一項目め、中山間地域等直接支払制度のうち、これまでの取り組み実績についてお答えいたします。  本県の中山間地域の集落では、農業の維持や農地の保全を図るため、この制度を活用いたしまして、農道、水路の清掃や機械の共同利用、イノシシなどの有害鳥獣対策等に取り組まれてきたところでございます。  この制度の取り組み面積の推移について申し上げますと、制度が始まりました平成十二年度は約七千六百ヘクタールでありましたが、その後は、制度の見直しにより増減はあるものの、八千ヘクタールを超え、第三期対策終了時の平成二十六年度には約八千三百ヘクタールとなってございました。そして、四期対策の一年目でございます平成二十七年度におきましては、約七千百ヘクタールと平成二十六年度の八六%程度に減少いたしております。  また、集落協定数につきましては、平成十二年度においては六百二十協定でございましたが、その後は協定の統合や廃止などによりまして、五百三十から五百四十前後で推移しております。  平成二十七年度は、新たな集落協定の締結や統合があったものの、一方では、議員もおっしゃいましたとおり、集落協定の廃止が多く発生したことから四百九十三協定となりまして、前年の平成二十六年度が五百四十二協定でございましたので、その九一%程度に減少したところでございます。  この取り組みが減少した要因についてでございますが、平成二十七年度において協定を結ばなかったり、または取り組み面積が大きく減少いたしました六十二の集落協定の代表者に対してアンケート調査を行ってございます。その結果、これは議員も言われましたけども、すぐには農業をやめないけども、高齢化等により五年間農地を継続して管理する自信がなくなったという回答が最も多くございました。これは、この制度が協定農地の全てを五年間継続して維持管理しなければ、原則集落協定に支払われた交付金全額をさかのぼって返還する規定となっており、この規定が取り組みの減少につながった要因ではないかというふうに考えております。  次に、今後の取り組みについてでございますが、本県では、平成二十七年の取り組み面積が大きく減少した要因でございます、全ての協定農地を維持管理しなければさかのぼって全額返還する規定につきまして、これまで国に対して要件を緩和するよう、さまざまな機会を通じて強く要望してきたところでございます。  その結果、今年度からその要件が緩和され、協定内の農地や集落の将来像などを取りまとめた集落戦略を策定した集落協定におきましては、たとえ五年間維持できなくなった農地が出たといたしましても、全額の返還ではなく、その維持できなくなった農地に交付された金額だけの返還となったところでございます。  このようなことから県では、この中山間地域等直接支払制度のより積極的な活用を促すために、四期対策から集落協定を廃止いたしました集落はもとより、現に協定を結んでいる集落に対しましても、この集落戦略の策定を進めているところでございます。  また、集落同士が連携して農業生産等を維持する取り組みを促進することや、集落が抱える課題などを解決した優良事例を紹介するなど、きめ細かな助言、指導などを市町と一緒になって行っていくことといたしております。  さらに、議員から御指摘がございました交付単価のアップにつきましては、例えば、畑の交付単価が田の二分の一程度と低く設定されている部分がございますんで、この交付単価の引き上げなど、農家にとってより取り組みやすい制度となるよう、引き続き国に対して制度の充実強化を要望してまいりたいと考えております。  二項目めの有明海における水産資源の回復について、二点お答えいたします。  まず、タイラギ調査の報告のあり方についてでございますが、タイラギの生息調査は、稚貝の着底状況やその後の生育状況、さらには全体の資源量を把握することを目的といたしまして、毎年実施しております。この調査結果が操業の可否を検討する際の重要な判断材料となってございます。  ことしにつきましても、毎月一回以上の調査を実施し、その結果を適宜、有明海漁協や関係漁業者に説明してきたところでございます。  また、ことしの九月から十月にかけて、ナルトビエイの食害によってタイラギの生息量が激減していることを確認した際も速やかに報告を行いました。  報告に際しましては、漁業者の方がより実感を持てるよう、図とか写真を用いてわかりやすく説明を行ってきたところではございますが、議員御指摘のとおり、さらに理解しやすい報告とすることは大切であると考えております。  こうしたことから、今後も丁寧な説明に心がけますとともに、有明海漁協や関係漁業者の方々からも御意見を聞きながら、よりよい調査や報告手法を検討してまいりたいと考えております。  最後に、ガザミの資源回復についてでございます。  有明海でとれるガザミ、いわゆる竹崎ガニにつきましては、資源を守り、ふやしていくことが極めて重要でございますことから、これまで種苗放流や資源管理等に取り組んできたところでございます。  種苗放流につきましては、ここ五年、県と有明海漁協が毎年平均二百万尾程度の稚ガニを放流いたしますとともに、放流効果を一層高めるため、有明海沿岸四県が連携して、放流に適した場所や稚ガニの大きさなどを把握する調査研究に取り組んでいるところでございます。  一方、資源管理につきましては、県が策定いたしました佐賀県資源管理指針に基づきまして、「佐賀県有明海カニ漁業者協議会」の関係者が抱卵ガザミ、これは卵を抱いているガザミですけれども、抱卵ガザミの保護や小型ガザミの再放流などの取り組みを実践されているところでございます。  しかしながら、まだまだガザミの安定的な漁獲までには至っていないことから、さらなる取り組みの強化が必要と考えておりまして、県では種苗放流につきましては、来年度からさらに百万尾を追加して三百万尾程度を目標に放流いたしますとともに、資源管理につきましても、「佐賀県有明海カニ漁業者協議会」の中で資源管理の重要性を改めて再確認するなどいたしまして、取り組みの徹底に努めていくことといたしております。  いずれにいたしましても、資源回復を実現していくためには息の長い取り組みが重要であることから、今後も県、有明海漁協、漁業者が一体となりまして、これらの取り組みを継続していくとともに、ガザミ資源を共有しております有明海沿岸四県とも連携を強化して、ガザミの資源回復を図ってまいります。  以上、お答えいたします。 14 ◎坂口祐樹君 登壇=桃崎副議長より登壇の許可を得ましたので、残り時間二分でありますけども、知事に三点、再質問をさせていただきます。  まず一点目、オスプレイへの体験搭乗についてであります。  機会があればやぶさかではないというような答弁であったと思います。  今、佐賀市議会が議論をされて、脊振山での低空飛行のデモフライトを要請されていますので、かなうならば体験搭乗する意思はあるのかお伺いをいたします。  二点目、オスプレイに対して、基金の創設または着陸料の条例変更について御提案を申し上げました。受け入れを前提に議論することはできないという答弁でありました。私は、受け入れを判断するためにこの議論が必要だという話をしているんです。 15 ◎副議長(桃崎峰人君) 坂口議員に申し上げます。質問時間が残り少なくなってきておりますので、簡潔にお願いします。 16 ◎坂口祐樹君(続)=あら、わからんごとなった。  では、議論をしないというのであるならば、こういう声があったということを防衛省ないし総理に会えるならば総理に届ける用意はあるかお伺いをいたします。  三点目、玄海原発第三者委員会の設置についてであります。  佐賀県原子力環境安全連絡協議会とは、これから立ち上げる第三者委員会とは目的が異なるというお話でありました。そうは思わない。八割方の目的は同意しているんです。  現に、伊万里市長さん、議長さんは、これまでメンバーではなかったんですね。しかし、再稼働を目前にしてこのメンバーに入られたということを考えれば、専門家の意見が必要であるならば、専門家をそこに呼べばいい。再稼働に必要な議論があるならば、その議論できる人を集めればいい。第三者委員会と今まであった協議会というのは、趣旨が異なることはありません。目的が異なることはありません。ですから、第三者委員会ということを見直して、この協議会の拡充ということについて、知事の見解を求めて再質問を終わります。 17 ◎山口知事 登壇=坂口議員の再質問にお答えします。  まず、オスプレイの体験搭乗につきましては、先ほども答弁申し上げたとおり、機会があれば体験搭乗をしたいと思います。  二つ目の受け入れ前提ではできないというさまざまな条件のお話だったと思いますけれども、私はそのときそのときで、今置かれている問題にしっかりと向かい合うことが必要だと思いますので、現在、私はこの検討に誠心誠意注力したいというふうに考えます。  三点目につきましては、原発の新しい委員会は必要ないんではないかという話がありましたけれども、これも先ほどお答えいたしましたが、私は、この委員会がないということで県民の皆さんが不安がっているというのは非常に本意ではないということと、県土全体、今つくってある委員会は、まさにこの前出ていただいたからわかりますように、近隣の環境をしっかりとチェックしていくということが極めて重要だと思っています。  今回つくろうとしているのは、佐賀県全体として再稼働に向けてどう判断するのかということに幅広く意見を伺おうとするものでありますので、私は目的が違うというふうに考えております。  以上でございます。 18 ◎定松一生君(拍手)登壇=皆さんこんにちは。午後からの質問としてはトップバッターになるかと思いますが、きょうは私の地元からも傍聴に来ていただいております。これは、やはり私が聞いている項目の中の暗渠排水事業が心配だということで来ていただいておりますので、山口知事もよろしくお願いいたします。  けさの新聞で目新しいことといえば、卓球のジュニアが男女とも世界一になったということでございましたが、私は西日本新聞の隅に書いてありましたタマネギの「べと病」対策のことで、国と、そして佐賀県、兵庫県、研究機関としての佐賀大学など、これをもって「べと病」が発生するメカニズムや、それから防除方法などをしっかりと研究していく組織を立ち上げるというふうなことが書かれておりました。これも、知事が精いっぱい国のほうに働きかけてくれた結果だと思っております。今後とも、私どもの地元、タマネギで食っているようなもんですから、よろしくお願いしたいと思っております。  それでは、私は主に農業関連でございましたが、今回は佐賀空港、そして有明海沿岸道路の整備、暗渠排水事業、オストメイトの災害対策について、これら四点を聞いてまいりたいと思います。  佐賀空港の自衛隊使用要請についてでございますが、私は、筑後大堰や諫早湾干拓など過去に国が行った大型公共事業によって有明海の漁場環境が悪化したことや、その後の国の対応への不満などから、漁業者からは国の公共事業に対しての強い不信感があると感じております。  また、有明海沿岸の漁業の歴史は古く、縄文時代にも弥生時代にも、また、佐賀県有史以前より豊かな有明海の恵みにより命をつなぎ、人を育て、集落を形成し、国をなしてきたものであります。  古来、佐賀の人は勤勉実直で粘り強く、干拓事業、昔は搦事業として住民協力のもとにこういった造成土木事業等がなされ、半農半漁の営みによってこの地域は発展してきたと思っております。  県内の有明海沿岸の地域は、外海とは異なった独自の漁業、漁法が確立され、ムツゴロウ、コハダ、ハゼ、ボラ、ワラスボ、タイラギ、カキ、アゲマキ、ウミタケ、ガザミ、シオマネキ、シャコ、アナゴ、まだまだありますが、これらの魚介類がこの地域でたくさん流通していました。過去形で表現したのは、その多くが現在では貴重な食材であるからであります。  昔から少ない農地で多くの家族を養い、自給自足を支えてきたもので、戦後の食料難のときも有明海の恵みは乗り越えてきましたし、特に早津江、南川副干潟は優良な漁場でノリ養殖にも適し、地域産業の発展が望まれるものでありました。  時を同じくして、一九六三年、県は同地域に二百四十ヘクタール規模の干拓事業を計画、漁業者には造成地を無償で配分することで合意がなされ、その後の減反政策が始まるや、畑作での営農と切りかえ、そして、地代は無償であるものの、整備事業を多年度償還することといたしました。  そして、一九六九年、佐賀空港計画が示されました。当時の知事は、国造干拓に県営空港と農業大学の研修施設をつくるということを発表、そして、水はけのよい東側を空港に使用し、条件の悪い西側を漁業補償地として配分する案を提示いたしました。当然、その地域の住民、漁業者からも反対運動が起こりました。そして、この空港の建設理解が得られたのは一九八八年、そして、公害防止協定が策定されたのは一九九〇年のことであります。まさに迷走の末の難産で生まれた佐賀空港であります。
     私は今、このように干拓事業から空港ができるまで、そして、今のありさまを見ておりますと、今まで県や国の対応がどれほど地域を苦しめてきたかということをまず前段に申し上げたかったわけであります。  漁業者の中には、「国防、安全保障に関しては当然協力すべき」、そういう気持ちはあるものの、今回の要請は国の公共事業であることから拒否反応を示されている方も多いのではないかと思います。また、私自身も漁業者のそうした思いは理解できるところであります。  また、防衛省に対する有明海漁協からの質問内容を見ておりますと、諫早湾干拓潮受け堤防排水門の開門調査の問題が解決してから今回の要請をすべきではないか。  また、これまでの有明海沿岸における国の公共事業、筑後川大堰、ダム、諫早湾干拓においては、国は有明海には影響がない旨の説明をされてきたが、現在の有明海には、以前は多く生息していた魚介類が少なくなった状況にある。  漁業経営に何らかの影響があった場合には損失等の補填を行うということだが、諫早湾干拓問題を見ても、そもそも国は何ら責任をとっていない。  国の公共事業に対する強い不信感があるように思います。  私は、このような漁業者の不安に対し、例えば、諫早湾干拓潮受け堤防排水門の開門調査の実施により環境変化の原因が究明され、有明海の再生が一歩前進すれば、国の公共事業に対する漁業者の不信感が和らぎ、今回の要請に対する漁業者の理解も得られるのではないかと思います。  知事は本会議冒頭、提案事項説明の中で、今回の防衛省の要請に対しては、「しかるべき時期に、後世にきちんと説明ができるような判断をしたい」というふうに述べられております。私としては、今回の防衛省からの要請に対しては、これらのしっかりとした漁業者の思い、そういう思いを根底から背負って判断すべきであると思いますが、知事の所見を伺いたいと思います。  続いて、問いの二でございます。有明海沿岸道路の整備についてでございます。  広域的な幹線道路網は、産業振興や地域振興を図る上で欠かすことのできない大変重要な社会資本整備であります。県では、有明海沿岸道路、佐賀唐津道路、西九州自動車道及び国道四百九十八号といった県土の東西軸や南北軸となる広域幹線道路ネットワークの整備について重点的に進められております。  中でも有明海沿岸道路は、大牟田市から鹿島市までの地域高規格道路として、国及び県において整備が進められておるところでございます。同沿岸地域の地域間交流を促進し、産業の活性化に大きく寄与する道路として大きな役割を担い、期待されている道路です。  このうち、県で事業が進められている佐賀福富道路については、これまで供用していた嘉瀬南インターから芦刈インター間に加え、今年三月末には芦刈インターから芦刈南インターが供用され、走行時間の短縮や現道区間の渋滞緩和の事業効果があらわれており、利便性が向上したことを私自身も通勤を通して実感したところでございます。  しかしながら、皆様も御存じのとおり、六月二十三日に芦刈南インター下り線出口付近の盛り土崩壊が発生したことにより、現在も芦刈インターから芦刈南インター間の全面通行どめが続いており、私も大変残念に思っております。  そうした中、先月、福岡市博多区で地下鉄工事現場で発生いたしました道路陥没事故、この迅速さには私も驚きましたが、十一月八日に発生をいたしまして、十一月十五日朝、早朝五時には開通したというのが、これは世界から絶賛を受けた旨の報道があっておりました。地下鉄工事現場と有明海沿岸道路では被害内容や地盤条件などが異なることは理解しておりますが、今回の災害についても、できるだけ早い時期に復旧をお願いしたいところであります。  また、残りの区間である六角川から先の福富地域については、軟弱粘土層が続いているために、この軟弱地盤が厚いということで工法検討委員会も苦慮していると聞いております。このため、福富地区で実施する軟弱地盤対策については、今回の災害をしっかりと検証し、今後の整備につなげるとともに、周辺家屋や田畑などに影響を及ぼさないように、より慎重に工事を進めてほしいと考えております。  その先の区間である福富鹿島道路については、佐賀福富道路の整備と並行して事業化に向けた取り組みを進めていく必要があると考えております。  そこで、芦刈南インター下り線出口付近で発生した盛り土崩壊箇所の対応状況を含めて、県で事業を行っている佐賀福富道路及び福富鹿島道路の現在の進捗状況と今後の取り組みについてお伺いをさせていただきます。  次に、暗渠排水事業の定額助成単価の見直しに伴う質問をさせていただきます。  本県の水田では、水稲に加えて転作として大豆が、そして米の裏作として麦やタマネギなどが盛んに作付がされるなど、水田の畑作利用が進んでおります。  この畑作利用には農地の排水対策が必要不可欠であります。圃場整備事業で整備された暗渠排水による乾田化効果が多大な貢献をしているというふうに思っています。  しかしながら、この暗渠排水事業は、早いところではもう四十年以上経過しております。経年変化や当時もみ殻施工による弾丸暗渠でございましたので、もうその機能が不良となり、今では排水がきかないということになってしまいました。  このようなことから、市町や土地改良区が事業主体となり、国からの直接補助事業である農業基盤整備促進事業の定額助成により暗渠排水の整備が進められてまいりました。  このボラ土による暗渠排水事業、未整備圃場との比較では、タマネギでは実に七四%の収量アップ、小麦でも五四%増収、大豆で三七%の増収。そのほか、キャベツ、白菜、ブロッコリー、ネギ等も乾田化によって裏作の収入としてできるということであり、そのことにより、若手農家の意欲が高まり、水田での畑作物の作付がふえ、結果的に農地の利用率は全国でも極めて高い数値を示しており、この地域の農業者の収入につながっている。まさにこの事業の効果は高いものと言えます。  これにより、本県のほとんどの地域で実施されているトレンチャーを使用した施工に対する国からの定額助成、これは十アール当たり十五万円から今回七万五千円に半減するということになりました。これは、十月に示された当時から本事業の要綱、要領が改正されることを受けて、関係市町に激震が走り、山口知事を初めとする佐賀県農業基盤整備促進事業連絡協議会や、私ども留守会長をトップに佐賀県農業・農村振興議員連盟も要望を重ねたものの、十一月には会計検査院より内閣へ改正の報告がありました。そして、この事業が私どもの地域に大きく影響することとなったわけであります。  そこで、次の点についてお伺いをさせていただきます。  県内では現在までの暗渠排水事業の整備状況についてどのようになっているのか、まず一点。  そして二点目は、暗渠排水整備に関する今後の県の対応についてであります。  この整備は麦、大豆等の収量増収等に大変効果があると農家から大変喜ばれております。今回、国の定額単価が十五万円から七万五千円へ半減したことで事業に影響があるというよりは、今まで申し込んでいた農家がそれを取り下げるという事態になるかと思います。そういったことを受けて、県ではどのような対応を考えてくれるのかお伺いさせていただきます。  それでは、第四問目のオストメイトの災害対策についてお伺いをさせていただきます。  オストメイトとは、大腸がんや膀胱がんの切除などのために排せつ機能を損ない、腹部に人工肛門、または人工膀胱をつけた方で、高齢者に多く、佐賀県内にも約千三百名の方がいらっしゃいます。  オストメイトの方は、外見上健常者とほとんど変わらないんですが、括約筋がないために便意や尿意を感じたり、我慢したりすることができず、パウチという人工肛門などからの排せつ物を受け取る袋を装着しておく必要があります。また、このパウチの中にたまった便や尿、これを流せる大便器や汚物洗浄台が備えつけられている多機能トイレも必要となります。日常生活においてもさまざまな苦労があります。  私の政治活動を支えてくれた父が四年前に亡くなりました。父は生前、自分では痔が悪いと思っていたらしくて、それが後に直腸がんでありました。亡くなるまでの四年間、オストメイトとなりました。  幸い我が家には母が父の面倒を見てくれて、生活支援や在宅介護をしてくれました。一時期は自分で車の運転や買い物等、一般生活に支障がないように過ごしておりました。ただ、トイレや入浴、そしてベッドに入って眠るまで、眠っているときも人とは若干違うようです。母が介護をしてくれておりましたので、不安は余り感じていなかったようでございますが、本人としては相当のストレスがあったと思います。だんだんと人前に出ることが少なくなりました。そして、そのオストメイトの苦労というのは、将来への不安、高齢化になったときの不安、そして経済的な不安、そしてもう一つは災害のときの不安なんです。  この点について、公益社団法人日本オストミー協会が平成二十四年四月に発行した「東日本大震災におけるオストメイトの避難生活調査報告書」の中で、オストメイトの方が避難所生活で苦労した実態が報告されております。  この報告書によると、オストメイトの方にとって、パウチなどのストーマ装具や皮膚保護剤などのストーマ用品、これは日常生活を送るための生活必需品であり、自分自身で準備をしておくのが基本でございますが、なくなりそうだから買うということでございますので、ストックが多いときに災害があるわけではございません。それで、災害が発生したとき、どうしても非常時に持ち出しができなかった方々には、避難所においてストーマ装具の確保が必要とされております。  また、装具を交換する場所がない。装具の処理に時間がかかる。そのために避難所のトイレでは長蛇の列ができる。そういうことから、装具の交換を野外や壊れた家屋で行ったという例も報告されており、避難所生活においてオストメイトの方は大変な御苦労をされることとなります。  東日本大震災の教訓を今後に生かすために、平成二十五年に改正された「災害対策基本法」や、同法に基づき国が示した「避難所における良好な生活環境の確保に向けた取組指針」、これにおいては災害用トイレの整備や生活必需品、要配慮者が必要とする育児、介護、医療用品などの備蓄または調達体制の構築を検討しておくこととされており、オストメイトの方も安心して避難生活が送れるよう、設備、備品の整備推進を図っていくことが重要と考えます。  そこで、次の点について質問をさせていただきます。  避難所におけるストーマ装具等の備蓄については、ストーマ装具等を持ち出せなかったオストメイトへの対応、避難所生活を継続しなければならないオストメイトへの対応として、避難所等に一般の生活必需品と同様にストーマ装具やストーマ用品の備蓄をしておく必要があると考えますが、どのような対応を考えているのかお聞きいたします。  また二点目に、避難所におけるオストメイト対応トイレの整備でございます。  避難所生活でオストメイトに配慮したトイレが必要と思いますが、どのような対応を考えておられるのか質問をいたしまして、私の一回目の質問とさせていただきます。(拍手) 19 ◎山口知事 登壇=定松一生議員の御質問にお答えいたします。  私には、佐賀空港の自衛隊使用要請につきまして、漁業者の思いを背負って判断すべきということについてお尋ねがございました。  これは、坂口議員のところでもお話をさせていただきましたけれども、諫早湾干拓潮受け堤防排水門の開門調査について、裁判により確定しているにもかかわらず、開門調査に応じない国の対応といったことに対して、漁業者の皆さん方から国の公共事業に対する不信感といった声については私もるる承っているところでございます。  県といたしましては、漁業者の皆様方と同じ方向を向いて同じ景色を眺めているという関係でありたいという認識のもとに、有明海漁協と共同で防衛省からの要請内容の確認作業を現在行っているところであります。今後もこの認識に基づきまして、さまざまな観点で意見交換などをしてまいりたいと思っています。  今後とも、漁業者の思いをしっかりと伺った上で、プロセスを大切にして、判断するための環境を整えながら、しかるべき時期に、後世にきちんと説明できるような判断をしたいと考えております。  いずれにいたしましても、佐賀県は農業者、漁業者、林業者を大切にしていきたいと考えております。第一次産業の振興なくして県勢の浮揚なしということでありまして、農林水産部も創設させていただいたところであります。  現場の課題、定松議員からお話ありましたように、「べと病」対策に全力を挙げるとか、暗渠排水の問題をしっかりと農業者の立場になって対応をとるとか、そういった問題。それから、るる承っている後継者の問題。これから先どうなるのかと、未来への不安に対してしっかりと対応していきたいと思いますし、さらに、佐賀のすばらしい生産物に対して付加価値をつけて六次産業化をやっていくとかいった未来への投資の関係。そういったことを全力で第一次産業の振興に取り組む覚悟でございます。  私からは以上でございます。 20 ◎藤原健康福祉部長 登壇=私のほうからは、オストメイトの災害対策についてお答え申し上げます。  まず、避難所におけるストーマ装具等の備蓄についてでございます。  災害時における避難所での生活では、体調を崩す方も多く、特にオストメイトを初め、要配慮者の方に対するきめ細やかな支援が大変重要であると考えております。  実は昨日、県立美術館ホールにおきまして、佐賀県障害者社会参加推進協議会主催の障害者の主張大会というものが開催されまして、私も知事とともに出席をいたしまして、さまざまな障害のある方々の主張を聞く機会を得たところでございます。  その主張者のお一人といたしまして、オストメイトの方、その方はダブルストーマの方でありましたけれども、そういった方がいらっしゃいました。その方は、六十代にダブルストーマの生活になってからもヨーロッパ旅行を楽しんでいるなど、大変前向きなお話をされておりましたけれども、その一方で今後に向けての課題、不安も述べられていたところでございます。  先ほど定松議員からも御紹介あったところとも共通いたしますけれども、例えば、オストメイトの方は外見上区別がつかないため、多目的トイレを利用していると変な目、冷たい目で見られるといった話もございました。また、老後、自分でストーマの交換ができなくなったときに、交換を手助けできるスキルを持った介助者がどれだけいるのだろうかということ。これに加えまして、今回御質問のありました避難所におけるストーマ装具の備蓄状況への不安を述べられていたというところもありました。  熊本地震を経験した今、改めてオストメイトの方を初め、要配慮者の方々の話に耳を傾け、対話することの大切さを改めて感じたところでございます。  さて、災害時には各市町において避難所を開設いたしますが、一般の避難所では生活に支障を来す方については、バリアフリー化などの特別な配慮がなされた福祉避難所において必要な支援が行われることになっております。そして、避難所で必要となる物資についても、基本的には市町で確保することとなっており、備蓄物資として保有したり、業者と協定を締結し、調達物資として災害時に業者から優先的に調達することとしております。  御指摘のありましたストーマ装具等の備蓄につきましては、国や県において避難所マニュアルなどの指針を示し、市町に対して整備するよう助言を行ってきたところであります。しかしながら、県内の状況を見ると、六市町においては福祉避難所においてストーマ装具等を備蓄しているものの、その他の自治体では一般避難所、福祉避難所ともに備蓄しておらず、調達物資としても対応できていない状況であります。  こうしたことから県では、引き続き市町に対してストーマ装具等を備蓄するよう助言いたしますとともに、災害時に市町から要請があれば、医薬品や医療機器等の供給に関する協定を締結しております佐賀県医薬品卸業協会や佐賀県医療機器協会に対してストーマ装具など必要な物資を避難所へ提供してもらうよう依頼することとしております。  次に、避難所におけるオストメイト対応トイレの整備についてお答えいたします。  オストメイトの方は人工肛門などを洗浄できる温水シャワーや、使用済みのストーマ装具等を捨てる汚物入れなどの機能を持つオストメイトにも対応した多機能トイレを必要としております。  先ほど御答弁申し上げましたとおり、災害時には各市町において一般的な避難所では生活に支障を来す方のために福祉避難所を開設しており、オストメイトで介助が必要な高齢者の方などはこの福祉避難所に設置された多機能トイレを利用していただくことになりますし、また、そうでない方は多機能トイレが設置されている一般の避難所に避難いただき、そこでトイレを利用していただくことになります。  県といたしましては、こうした多機能トイレを備えた避難所をできるだけふやしていくことが大切であると考えておりまして、例えば、県立学校の四十二校におきましては体育館に多機能トイレの整備が完了していますので、市町に対して避難所として指定するよう改めて助言を行うなどして、オストメイトの方々の不安解消につなげてまいります。  一方、大規模な災害の際には既存の多機能トイレだけでは十分に対応できず、オストメイト対応の仮設トイレの設置が必要となることも考えられるところであります。  このため県といたしましては、今後オストメイト対応トイレをレンタルできる会社との協定、「災害時における仮設トイレの調達に関する協定」の締結などによりまして、市町の調達体制を支援してまいりたいと考えております。  いずれにいたしましても、今後とも災害時における要配慮者に対する支援体制の整備を図る中で、オストメイトの方々の日常生活に必要な物資の備蓄や調達体制の確保、また、オストメイト対応トイレの整備などにつきまして、当事者の方々の御意見もよく伺いながら市町とともにしっかりと取り組んでまいりたいと考えているところでございます。  私からは以上でございます。 21 ◎御厨農林水産部長 登壇=私からは、暗渠排水事業の定額助成単価の見直しについてお答えさせていただきます。  まず、暗渠排水の実施状況についてでございます。  県が市町や土地改良区からの整備要望をもとに把握しております暗渠排水の要整備面積は約一万六千八百ヘクタールであり、これは県内の水田面積約四万三千ヘクタールの約四〇%、圃場整備が済んでおります水田面積約三万五千ヘクタールの約五〇%となってございます。  暗渠排水の進捗状況でございますけども、要整備面積一万六千八百ヘクタールのうち、平成二十七年度までに国の補助事業を活用して一万二千八百ヘクタールの暗渠排水工事を実施しております。進捗率は七六%となってございます。  これに平成二十八年度は六百二十五ヘクタールを整備予定でございます。これはまだ単価見直し前のもので実施できるものですけども、それを合わせますと、平成二十八年度末の進捗率は八〇%となります。平成二十九年度以降、約三千四百ヘクタールの要整備水田が残っているという状況にございます。  次に、助成単価が見直されたことを受けての今後の県の対応についてでございます。  暗渠排水は「佐賀県『食』と『農』の振興計画二〇一五」に掲げます「稼げる農業」、「日本一の”水田フル活用”」を実現するのに必要不可欠でございまして、議員御指摘のとおり、私どもも本県の重要な施策と認識しているところでございます。  今回、国の定額助成単価の見直しは事前に何の説明もなく唐突でありましたために、事業主体でございます市町や土地改良区は、定額助成単価の見直しによります農家負担の増とか、あるいは施工済みの農家とこれから施工を予定されている農家との間の不平等間など、その調整に大変苦慮されております。今後、助成単価が半減してしまう農業基盤整備促進事業での事業継続は非常に難しい状況というふうに考えております。  こうしたことから、今後の暗渠排水の整備につきましては、国と県の補助がございます既存制度の基盤整備促進事業を活用していただきたいと考えております。  この事業は市町や土地改良区が事業主体となり、国五〇%、五法指定地域においては五五%となりますけども、国五〇%、県が一五%の補助率で実施するものでございます。  今後は、市町にも応分の負担をお願いするなどして、暗渠排水の円滑な整備が図られるよう努めてまいりたいと考えております。  以上お答えいたします。 22 ◎和泉県土整備部長 登壇=私からは、有明海沿岸道路の整備についてお答えいたします。  まず、佐賀福富道路についてでございますが、有明海沿岸道路のうち、県で事業を進めております佐賀福富道路は、佐賀唐津道路と接続する仮称佐賀ジャンクションから福富インターまでの延長約十・五キロメートルとなってございます。  このうち平成二十五年三月末までに嘉瀬南インターから芦刈インターの間、延長約四・五キロメートルを供用し、その先の区間の芦刈インターから芦刈南インター間の延長約二・〇キロメートルを平成二十八年、ことしの三月末に供用したところでございます。  しかし、この区間につきましては、ことしの六月二十三日に芦刈南インター下り線出口付近の盛り土が崩壊したことから、現在も全面通行どめを継続しており、道路利用者や地元沿線の方々に御迷惑をおかけしているところでございます。  この盛り土崩壊箇所の復旧工事についてでございますが、十月に実施されました国による災害査定において、公共土木施設災害復旧事業として認められたことから、現在、工事発注のための事務手続を進めているところでございます。  復旧工事につきましてはできるだけ早く進めたいと考えておりますが、軟弱地盤上で工事を進めることから、盛り土の安定の確認など慎重に工事を進めていく必要があり、工事完了まで一定の期間がかかるものと考えております。  現在考えております復旧工事の手順についてでございますが、まず第一段階として、現在の盛り土部分を一旦撤去した後、今回の災害によりまして損傷が見られます地盤の対策工について再度しっかりと地盤改良工事を行い、その上に盛り土の工事を慎重に行うこととしておりまして、この工事内容からしますと、通常工事着手から九カ月程度かかるものと考えております。  その後、第二段階として、沈下観測を所要の期間行いまして、軟弱地盤対策工法技術検討委員会にその状況を報告して意見を聞きまして、盛り土の安定性を確認することとしており、その結果を踏まえて、最終段階である舗装工事などの着手時期を判断していきたいというふうに考えてございます。  なお、佐賀市方面に向かう上り線についてでございますが、これにつきましては復旧工事の途中の段階において、工事が進捗することによって安全が確認できる状況になれば通行を再開したいというふうに考えているところでございます。  続きまして、被災した芦刈南インターより先の区間でございますが、芦刈南インターから福富インター間の延長約三・五キロメートルについて現在整備を進めているところでございます。  この区間にあります六角川大橋につきましては、平成二十六年度から橋の下の部分の下部工の工事に着手しておりまして、今年度も引き続き下部工及び上部工の工事の進捗を図っているところでございます。  また、六角川から先の福富地区におきましては、詳細な地質調査を行った結果、想定していた以上に軟弱粘土層が厚いことや土の強度が低いことが判明したところでございます。このことから軟弱地盤対策工法の見直しを行うために、今年度から試験盛り土を行っており、その結果をもとに対策工法を決定することとしております。  今後の整備に当たりましては、技術検討委員会の意見を聞きながら、今回の災害から得られた新たな知見や教訓を設計施工にしっかり反映して進めていきたいと考えております。  続きまして、福富鹿島道路についてでございます。  福富鹿島道路は白石町福富から同町深浦までの延長約十キロメートルにおいて環境影響評価の手続が平成二十七年三月に完了し、平成二十七年度は地形測量を実施したところでございます。  今年度につきましては、軟弱地盤対策について検討しておりまして、今後も引き続き事業化に向けた準備を進めていくこととしております。  いずれにいたしましても、有明海沿岸道路につきましては、長期にわたり本県の発展を支える重要な社会資本であり、重点的に整備を行っていく必要があると考えております。  このため、今年度も機会を捉えて国への政策提案活動を行っており、十月三十一日も知事をトップといたしまして、県議会や地元期成会と一体となって有明海沿岸道路の早期整備について石井国土交通大臣など国への提案活動を行ったところでございます。  県といたしましては、引き続き有明海沿岸道路の早期整備に向けてしっかりと取り組んでいきたいと考えております。  私からは以上でございます。 23 ◎定松一生君 登壇=再質問を一項目、そして、有明海沿岸道路のところで市町の連携についてお話をさせていただきたいと思います。
     暗渠排水整備に関する今後の県の対応をお伺いいたしました。  補助率五〇%、そして、プラス一五%ということでございますが、私が前段申し上げましたのは、今住んでおる、例えば、私の家の圃場、そして、隣のおんちゃんとしましょうか。隣のおんちゃんは十アール当たり一万円で済んだ。しかし今度するのは、あなたのところは四万五千円かかりますよというふうなことになりますよね。先ほど部長の答弁では、今後の暗渠排水の整備は市町、土地改良区が主体となる基盤整備促進事業で実施するということでありますが、農家負担の軽減のため、少しでも県のかさ上げといいましょうか、このことができないのか知事にお伺いをさせていただきたいと思います。  私の地元の白石町においても来年度以降に三百ヘクタール残ります。そして、県全体では三千四百ヘクタール、久保田地区や川副地区では大変な農地が残っている状況にありますので、そういったことも含めて御答弁をお願いします。  また、有明海沿岸道路のことでございますが、市町でも開通に向けて直売所等の計画がなされているやに聞いております。そういったこととの同調をお願いしたいので、県土整備部長につきましては、市町との連動性を持って、その進捗を図っていただきたいと、調整を図っていただきたいと思いますので申し添えます。  以上で終わります。 24 ◎山口知事 登壇=定松議員のほうから私のほうに暗渠排水の件について再度お尋ねがございました。  先週、私も哀川翔さんのイベントの後に暗渠排水を敷設する現場を見させていただいて、いろんな話も聞いてまいりましたけれども、やはり今、定松県議がおっしゃったように、もともと予定されたもののうち、先にやってしまった皆さん方があったわけで、そこでいきなりその十五万円の部分が打ち切りということで、いろんな国の事情によって突然そういった状況に陥ったということでありまして、佐賀県にとってみると、暗渠排水っていうのはあれだけ水田をフル活用していますから、極めて重要なファクター、タマネギにとっても、大麦にとっても、大豆にとっても非常に重要だと思っています。  この問題については、先ほど私も答弁したように、農家を大事に考える、農家ファースト。ですから、農家の負担がどうなのかという観点のほうから考えるということが重要だろうというふうに思っておりますので、市町の皆さん方ともしっかり話し合いながら、しかるべき対応がとれるように考えていきたいと思っております。 25 ◎岡口重文君(拍手)登壇=自民党会派の岡口重文でございます。  副議長より登壇の許可を得ましたので、通告に従い、順次質問をしたいと思います。  まず一項目めでございますけれども、山口県政について伺います。  先日、佐賀新聞社が実施しました第二十五回県民世論調査の結果が発表されましたが、それによりますと、山口知事の評価は「評価する」、「どちらかと言えば評価する」を合わせて約七割が評価する結果でありました。知事が県民から評価されるのは望ましいことであります。山口知事がこれまで実施してきた取り組みが評価された部分もあると思います。  しかしながら、佐賀空港の自衛隊使用要請玄海原子力発電所の再稼働という重要課題に対して知事が判断していない状況での調査ということを鑑みますと、この結果は山口知事が就任してから間もなく二年となりますが、重要課題に対する判断がなされた後にこそ、県民からの真の評価が示されるのではないかと考えております。  そこで、次の点について伺いたいと思います。  まず一点目でございますが、県政運営に対する自己評価についてであります。  知事就任から間もなく二年が経過しようとしておりますが、この間、県政運営を振り返り、知事自身はどのように評価しているのか、知事の所見を伺います。  二点目に、今後二年間で力を入れていきたい取り組みについてであります。  間もなく知事就任から二年がたとうとしておりますが、この間、県政運営をしていく中で、知事はこれまでの取り組みをさらに推進する、あるいは新たな取り組みに着手するという考えも出てきたのではないかと思います。  そこで、残り半分となりました任期の中で、知事はどのような取り組みに力を入れていきたいと考えておられるのか、知事の所見を伺います。  次に二項目めとしまして、農業の振興について伺います。  毎回、私はこの質問ごとに農業の振興を質問しておりますが、飽きずに真剣に取り組んでおりますので、皆さん方についてもよろしくお願いします。  本県では、温暖な気候や肥沃な土壌など恵まれました自然条件や、平たん地域から山ろく、山間地域などから成る多様な地形、農業者の創意工夫などにより米、麦、大豆を組み合わせた生産性の高い水田農業を初め、収益性のある園芸や畜産などが展開をされ、「佐賀牛」や「さがほのか」、ハウス梨など、高品質な農産物を生産し、供給する県としてその地位を築いてきました。  しかしながら、最近の農業を取り巻く情勢を見ますと、農業従事者の高齢化や減少、生産資材価格の高どまりなど、一段と厳しさを増しております。特に農業従事者の高齢化や減少は深刻で、私の地元であります伊万里市では、現在、収益性があるキュウリなど一部の品目には若い人たちが就農するケースが見られる一方、同じ地域内で多く生産されております米や梨、畜産などでは担い手の高齢化や減少が進んでおり、このままではこれらの品目を担う人がいなくなってしまうのではないかと大変危惧をしております。  先人たちは、苦労を重ねまして、地域の特性を生かし、品目を選定し、育成強化を図りながら足腰の強い農業を振興し、ブランド、そして産地としての基盤を築いてこられました。この産地としての生き残りができるか、私は大変心配をしております。  今後、我が国の人口が減少していき、また、国の農業政策も見直される中で、地域の農業を守り、佐賀県農業の振興を図っていくためには、それを担う担い手を確保し、育成していくことが極めて重要であると考えます。  また、担い手を確保し、育成していくためには、農業改良普及センターや試験研究機関の技術職員の果たす役割は大きく、その能力や資質の向上を図っていくことが重要と考えます。  そこで、次の点について伺いたいと思います。  まず、新規就農者の確保、育成についてであります。  県内では地域の特性を生かしながら、水田農業を初め園芸や畜産など多様な農業が展開されていますが、今後も佐賀県農業を維持発展させていくためには、次世代の担い手である新規就農者の確保、育成が大変重要であると考えます。県はどのように取り組んでいくのか伺います。  次に、農業の担い手を支える県の技術職員の育成についてであります。  現下の厳しさを増す農業情勢の中にあっても、少しでも不安は取り除き、農家の方には元気を出して農業に取り組んでほしいと願っており、農業の担い手を支える県の技術職員の育成に向けて、県はどのように取り組んでいくのかお尋ねをいたします。  三項目め、これも毎回質問をしておりますが、伊万里港の振興について伺います。  島国であります我が国におきましては、港湾は経済活動や国民生活を支える極めて重要な社会基盤であります。  本県においては、伊万里港が平成二十二年八月に重点港湾に指定され、平成二十三年十一月には日本海側拠点港に国より選定をされました。その伊万里港は、貿易港として来年開港五十周年を迎えることになります。この五十年の間、ハード面においては工業団地の整備、伊万里湾大橋の開通、七ツ島地区のコンテナターミナル、さらには周辺地域の臨港道路が整備されるなど、少しずつではありますけれども伊万里港の港湾機能は拡大したところでもあります。  また、ソフト面においても、中国、韓国との間に国際定期コンテナ航路が開設をされ、積極的なポートセールスが行われるなど、官民一体となった取り組みがなされております。特にことし十月からは、伊万里港の釜山航路が週三便に増便されるといううれしいニュースもあり、伊万里港の利便性が大幅に向上することから、さらなる貨物量の増加が期待されているところであります。  このように、この五十年、ハード、ソフト両面からさまざまな支援がなされ、紆余曲折はあったものの、伊万里港は大きく発展し、私はこの五十年の伊万里港の歩みについては、まあ評価しているところであります。  一方で、次の五十年に向けて伊万里港の整備促進を図ることがさらに重要であり、新たな発展を期待するものであります。  そこで、来年五十年の節目を迎えるに当たり、伊万里港の次の五十年に向け、今後どのように伊万里港を発展させていこうと考えているのか、伊万里港の振興について、次の点について伺います。  まず、記念事業の取り組みについてであります。  他港では、節目となる五十年、百年、百五十年の記念事業を実施している港もあると聞いております。伊万里港においても、開港五十周年の記念となる事業に取り組むべきと思いますが、どのように考えているのか伺います。  次に、伊万里港の整備促進についてであります。  伊万里港は自然災害も少なく、もし南海トラフの地震が発生した場合でも、津波被害が九州で唯一想定されていない港とされており、被害を受けた他の港の代替港となり得る港でもあります。また、浦ノ崎地区の開発などにも期待をしており、今後の伊万里港の整備促進について伺いたいと思います。  一つ申し添えますが、この浦ノ崎開発については、浦ノ崎地区で区長会長をされておりました松永さんが突如お亡くなりになりました。この方の気持ちを込めて、浦ノ崎地区についての整備を再度聞かなくてはならないと思ってここに立っておりますので、県の執行部の皆さん方の前向きな答弁をお願いしたいと思います。  次に四項目めでありますが、高校生のSNSの利用について伺いたいと思います。  スマートフォンやタブレット端末などの普及に伴い、多くの高校生にとってツイッターやLINEなどのSNSの利用が当たり前になっているのではないかと思います。  ある月刊誌の中の、東北大学川島隆太先生と明治大学齋藤孝教授の対談記事に目がとまりました。紹介をしますと、   例えば、フェイスブック、LINEに代表されるSNS、ソーシャル・ネットワーキング・サービスをやっていると、脳に抑制がかかることが分かっています。見た目には、手を動かしたり、頭を使ったりして脳を刺激しているように思えても、測定すると抑制、つまり眠った状態になります。(中略)   物を考える人としての脳は積極的に寝てしまっている。ある意味、とても怖いツールでもあるんです。いま、一日に五時間ぐらいSNSに掛かりっきりになっている高校生はザラだと思いますが、脳がほとんど抑制されているということなのですね。  この川島先生は、七年間、仙台市の七万人の子供たちの脳を追いかけて調査をし、   スマホやSNSの利用と学力との関係が明らかになってきました。そこで分かったのは、これらを使えば使うほど学力は下がります。それは睡眠時間や勉強時間とは関係ありません。   例えば、家で全く勉強していない子供たちのグループがあります。スマホをいじらない子はある程度の点が取れるのですが、その先、使い始めると睡眠時間は一緒でも、そこから点が下がっていくんです。要はスマホを使ったことによって、脳の中の学習した記憶が消えたということです。(中略)   仙台市の子供たちのデータですから、一般則ではないかもしれませんが、例えばSNSを一時間やると、百点満点の五教科のテストで三十点、一教科当たり五点分ぐらい点数が下がります。一時間で五点ですから、四時間使えば二十点下がるわけですね。   そこから分かるのは、本来なら総合点が高いはずの子供たちが、SNSをやっているばかりに勉強した大切な脳の記憶が消えているという現実です。  というものでした。  この記事が正しいことを言っているかどうかは私にはわかりませんが、SNSには、その使い方によってはトラブルや犯罪に巻き込まれたり、長時間の利用により昼夜が逆転するなど、生活習慣の乱れや学習時間が十分にとれないことによる学力低下などが懸念されたりしております。  そういったことから、SNSの利用に関する指導を十分に行うことや、保護者と家庭内でのSNS利用のルールづくりなどが必要ではないかと思っております。  そこで、以下の点について伺いたいと思います。  まず一点目としまして、高校生のSNSの利用状況についてであります。  県内の高校生のSNSの利用状況はどうなっているのか伺います。  二点目に、SNS利用における学校の指導についてであります。  ネット社会の中で、高校生がネット依存に陥らないように、SNSの利用について指導することは、トラブルや犯罪の防止にもつながると思いますが、どのような指導を行っているのか伺います。  三点目、保護者への啓発活動についてであります。  高校生がトラブルや犯罪に巻き込まれないように、保護者への啓発活動も必要と考えております。どのような取り組みが行われているのかお尋ねをいたします。  今後の取り組みについてであります。  高校生がこれからのネット社会でSNSなどのコミュニケーションツールを適正に利用するために、教育委員会は今後どのように取り組んでいくのか質問をして終わりたいと思います。よろしくお願いします。(拍手) 26 ◎山口知事 登壇=岡口重文議員の御質問にお答えします。  私に対しまして、一つ目として県政運営に対する自己評価をしてみろという御指摘でございました。  私は知事に就任して以来、「現場」「ミッション」「プロセス」をキーワードに、さまざまな場面に出向きまして、県民との対話を心がけながら県政運営に当たらせていただいてきたところでございます。そして、車の両輪であります県議会の皆様方の声に耳を傾けながら、羅針盤を定めてきたところでございます。  そうした考え方のもと、いろいろさまざまなことをやってきたわけでありますけれども、私は、みずからの選挙戦のときから、自分の自慢をするのが苦手でございまして、若干我慢して聞いていただきたいと思います。  県議会の皆さん方の御意見がさまざま反映されていることも御理解いただけるんではないかと思いますけれども、例えば、まず鳥インフルエンザや熊本地震への対応ということでありますけれども、現場対応もそうですし、リエゾンの派遣など、分析していただきますと、佐賀県がいち早い行動をとったということはわかっていただけるんじゃないかと思います。  そして、九州新幹線の六者合意につきましても、佐賀県の利益の最大化が図られていることは、これもぜひ調べていただいたらわかると思います。  そして、城原川ダムについて事業継続という方針決定、そして九州佐賀国際空港の事業拡張工事への着手と二千五百メートル化への着手、それからJR九州や西鉄との包括的連携協定をいたしまして、駅前の整備ですとか、基山の農場、工場が設置されたりもしております。そして、伊万里港の拡張整備の実施、そして増便の実現です。  地方創生に関しましては、長崎県と連携協定も結んで、日本遺産へ肥前窯業圏が指定されましたし、そのほか世界遺産、ラムサール条約、それから唐津くんちの無形文化遺産の登録、そして「Re:サガミーティング」、「GATA─BAR」、「USEUM ARITA(ユージアムアリタ)」、「佐賀さいこう!応援団」、「佐賀さいこうフェス」など、県民の愛着度の向上の大作戦がありましたし、東京オリンピック・パラリンピックの事前キャンプも幾つか誘致が決定しております。  それから、佐志浜もそうですし、武雄もそうです、鳥栖もそうですけれども、さまざまな企業誘致、そして志を持ったCSOの誘致の実現ですとか、市町重視のGM21ミーティングの創設、現物給付化への合意、タマネギ「べと病」対策、国補正予算の配分の相当な伸びでの獲得ですとか、本部制を部局制に改めて、さらに「中山間地・離島・県境振興対策本部」や国際戦略本部、子育てし大県推進本部、これはまだまだ芽出しの部分がありますけれども、これからこういったことでしっかりと佐賀県の振興のために頑張っていきたいというふうに思っております。  就任からきょうまで一日一日、真剣に、実直に、ベストを尽くしてやったつもりでございます。  ただ、岡口県議がおっしゃるように、佐賀県にはなかなか他県にないオスプレイの問題と原発再稼働の問題、そして新幹線の問題、それから諫干の問題ということで、非常に国政と関係している重い課題が目前に迫っているということも私が気にしなければいけない、御指摘を踏まえなければいけないというふうに思っております。  ただ、こうした問題につきましては、再三答弁申し上げているように、その時々の状況についてしっかりと真摯に向かい合いながら、幅広い観点から検討して、実直なやり方で向かい合う必要があろうかというふうに思います。  私が今気にしていることは、こういった国政課題というものは、私が県民の声をさまざま聞くに至っても、皆同じ方向の意見があるわけではなくて、それぞれ二つに割れているような案件も多うございます。  こうした中でも、佐賀県は今極めて重要な局面にありますから、どういう方向に行こうとも、佐賀県民がお互いを真摯に認め合いながら総力を結集できるような体制を絶対つくっていかなければいけないという、この強い信念で前を向く佐賀県をつくっていきたいというふうに考えております。  いずれにいたしましても、今後とも一人でも多くの県民の方々の信頼を得て、また期待に応えられるようにしっかりと取り組んでいきたいと思います。  ということで、県政運営に対する評価につきましては、私もしっかり受けとめますけれども、県民の皆様方にお任せいたしたいと考えています。  続きまして、今後二年間で力を入れていきたい取り組みについてお尋ねがございました。  ということで、まだ私は二年しかやっておりませんので、なかなかまだ苗代に植えたばかりのものもたくさんございます。そういったものを、水をやり肥料をやり太陽の光を浴びせて、これから芽を出していかなきゃいけないものがたくさんあります。  いずれにしても、佐賀の持つ真のポテンシャルが発揮できるよき時代だと私は確信しているわけでありまして、そういったことで二年後の「肥前」顕彰事業にも全力で県民の皆さん方と取り組んでいきたいというふうに思いますし、社会資本整備の実現についても、佐賀県は全国で人口密度十六番目の非常に人が密集した県なんです。ですから、本来社会資本整備はもっと効率的にできて、国の中でもっと優先順位が前にあるべきだと私は常に思っています。それを主張しているわけでありますけれども、そうした中で、まだまだやるべき課題がたくさんありますので、これについては順次しっかりと力を注いでいきたいなというふうに思います。伊万里港も唐津港も、本来のポテンシャルはまだまだ上のほうにあると私は確信しています。  そのほか、先ほど定松議員のときにオストメイトの話がありましたけれども、方々県内を歩いていまして、例えば、障害を抱えている方ですとか難病を抱えている方で、まだまだ家の中から出られない方というのはたくさんおられます。きのうの障害者の会に出てきた方はまだ前を向いておられます。しかし、まだまだ県内にはそうやって外に出られないつらい思いをされておられる方がおるので、そういう方が少しでも外に出てきていただいて、そして県民全体が温かくそれを迎えるような、真に人の痛みに敏感な県政、県民であるような佐賀県をつくっていきたいなというふうに思っております。  そのほか、ものづくりもまだまだ道半ばでありますし、福岡都市圏の活力を取り込む取り組み、それから、これからちょうどラグビーワールドカップ、オリンピック、国体と佐賀にとってはスポーツ振興にまさにちょうどいいタイミングがあるわけですから、私のこれまでのさまざまな経験も生かしながら、レガシーが残るような形で、そして「さがデザイン」的な視点も大事にしながら面的整備も進めていきたいなというふうに思います。  ということで、これを話し出すと時間が終わってしまうぐらい思いがほとばしるわけでありますけども、こういったことに取り組むためにも、今目の前の課題でありますオスプレイの問題、玄海原子力発電所の重要な問題については、県議会や県民の皆さん方に情報を公開して、丁寧に議論していくというプロセスが重要だと考えているわけでありまして、そうやってしっかりと判断した結果につきましては、結果として佐賀県民として前に向く要素になっていくんではないかというふうに思っています。プロセスを大切にした上で、しかるべき時期に決断をして、知事としての職責を果たしていきたいと思っています。  最後になりますが、志があれば必ず天に通ずるという信念のもとで、今後とも真剣に、実直にベストを尽くし、佐賀県、そして佐賀県民の最大幸福のために県議会の皆様方とともに全身全霊をかけて取り組んでいきたいと考えております。  私からは以上でございます。 27 ◎坂本地域交流部長 登壇=私からは、伊万里港の振興について二点お答えさせていただきます。  まず、記念事業の取り組みについてでございます。  伊万里港は、国内物流を初め対アジア地域のコンテナ輸送の拠点としての役割を期待されておりまして、県内産業の発展と地域の振興に欠かせない重要な港となっております。  伊万里港は、来年、貿易港として開港五十年を迎える大きな節目の年となっておりまして、半世紀にわたる伊万里港が果たした歴史的な役割を顧み、さらなる発展と希望に向け、これからの伊万里港を考えていく契機になる年であると認識しております。  また、平成二十九年度は、唐津伊万里道路の南波多谷口インターから伊万里東インター間の供用開始が予定されております。開通後は、伊万里港のさらなる利便性の向上が期待される年でもございます。  そうした中、今回伊万里市から開港五十周年事業を実施したいという意向が示されておりまして、県に対して協力依頼があったところでございます。  県といたしましても、伊万里港のさらなる飛躍と地域の活性化につなげるため、新たなスタートとなるよう開港五十周年の記念事業の実施について、伊万里市と連携しながら官民一体となって盛り上げていきたいと考えております。  なお、具体的な記念事業の内容や県の支援につきましては、単なる一過性のイベントとして終わることなく、これからの伊万里港の発展のために意義のある事業となるように伊万里市としっかり調整を図りながら取り組んでまいりたいと思っております。  次に、伊万里港の整備促進についてでございます。  伊万里港につきましては、県内産業の発展を支える重要港湾として整備を行ってきたところでございます。  コンテナヤードにつきましては、コンテナ貨物の荷役作業を効率化するため、平成二十六年度からトランスファークレーン対応型のコンテナヤードを整備しております。今年度末に四レーン目の完成を予定いたしております。
     ことし十一月までのコンテナ貨物取扱量は、官民一体となったポートセールスなど、その効果が出ておりまして、過去最高を記録いたしました平成二十六年十一月と比較いたしまして、現時点で二千本を上回るペースで伸びており、過去最高を更新できるのではないかと期待をしております。  今後の整備につきましては、コンテナ貨物取扱量の状況を見ながら、どのようなことが必要なのかについて検討をしてまいりたいと考えております。  次に、七ツ島工業団地と国道二〇四号を結ぶ臨港道路七ツ島線は、平成三十年代前半の完成を目指して国で整備が進められております。  この道路につきましては、物流の円滑化と交通渋滞の緩和など、地域の交通環境改善にも大きく寄与するものであり、一日でも早い完成に向けて引き続き国に事業促進を働きかけてまいりたいと考えております。  また、浦ノ崎地区の埋め立てについてですが、浦ノ崎地区は廃棄物処理用地でございまして、これまで港湾のしゅんせつ土砂などにより埋め立てを行ってまいりました。  現在、埋立地中央部の一工区、三十ヘクタールでございますが、これについては一見しますと整備が完了したように見えますが、今後三メートル程度の沈下が見込まれておりまして、土地利用を図るためにはさらに数十万立米の土砂が必要となっております。浦ノ崎地区の埋め立てが完了すれば、水深も深く、そのポテンシャルは高いものと十分認識をしております。このため、今後も関係機関からの情報収集に努め、公共工事の残土などを積極的に受け入れ、引き続き埋め立ての促進に努めてまいりたいと考えております。  いずれにしましても、伊万里港の振興は、伊万里市はもとより県内全域産業のさらなる発展につながることから、しっかり取り組んでいきたいというふうに考えております。  以上でございます。 28 ◎御厨農林水産部長 登壇=私からは、農業振興について二点お答えさせていただきます。  まず新規就農者の確保、育成についてでございますが、新規就農者を確保し育成していくためには、就農相談から経営確立まで関係者が一体となってサポートしていくことが重要でございます。  このため、これまできめ細かな就農相談活動や就農希望者を対象といたしました講座の開催、青年就農給付金事業の給付、さらに経営を始めるに当たって必要となりますハウスや機械等の整備に対する支援などを実施してきたところでございます。  また、就農後、できるだけ早期に経営感覚を身につけ、地域農業の担い手となれるよう、農業改良普及センター等における濃密指導や集合研修の開催、経営能力の向上や技術の研さんを図るための農業青年クラブの活動に対する支援などを積極的に実施しているところでございます。  こうした取り組みに加えまして、地域が主体となって取り組む新規就農者の新たな育成システムでございますトレーニングファームにつきまして、モデル的な整備に向けた検討を行うなど、新規就農者の受け皿づくりを積極的に進めているところでございます。  さらに、新規就農者に対して、栽培技術や経営ノウハウのアドバイスを行いますトレーナー制の導入や、リタイアされる農業者のハウスや樹園地を技術とともに円滑に継承する仕組みづくり、いわゆるのれん分けと、こういったことにつきましても、その推進方策の検討を進めているところでございます。  今後も、市町、農業団体、生産部会、地域の農業者の方々と一体となりまして、一人でも多くの新規就農者を確保し、佐賀農業を支える担い手として育ってもらうよう、しっかりと取り組んでまいります。  次に、農業の担い手を支える県の技術職員の育成についてお答えいたします。  これからの農業の担い手には、今まで以上に高度な技術力や経営力の強化が求められておりますことから、それらの取り組みをサポートいたします県の農政担当の技術職員につきましては、日ごろから新しい知見や技術の習得に努め、担い手のニーズに的確かつスピーディーに応えられるようにしていく必要があると考えております。  このため、まず現場の最前線で業務に当たっております農業改良普及センターにおきましては、経験年数に応じたきめ細かな研修を実施し、技術や経営の指導力の向上はもちろんのこと、地域課題の解決を図るためのコーディネート力の向上も図っているところでございます。  また、若手の職員につきましては、経験豊富な中堅職員と組んで現場指導に当たらせますOJTや職場内研修などを通じた基礎技術や実践指導力の養成などにも取り組んでいるところでございます。  次に、農業関係の試験研究機関では、最先端の情報や技術等を有する大学や国の独立行政法人等への派遣研修を実施いたしますとともに、より高度な技術や研究遂行能力を習得する博士号の取得促進、また学会での研究成果の発表などによりまして、その資質向上を図っているところでございます。  今後とも、こうした取り組みを進めることによりまして、農業の担い手の期待に十分応えられる県の技術職員を育成してまいりたいと考えております。  以上、お答えいたします。 29 ◎古谷教育長 登壇=私からは、高校生のSNSの利用についてお答え申し上げます。  まず、高校生のSNSの利用状況についてでございます。  平成二十六年四月に佐賀県高等学校生徒指導連盟が実施をいたしました「携帯電話・スマートフォンについて」のアンケート調査によりますと、県内高校生の九四・五%が携帯電話、スマートフォンを所持しております。また、同じく県内高校生に利用したことのあるSNSを複数回答で尋ねたところ、利用が多い順にLINEが八九・四%、ツイッターが四九・三%、フェイスブックが三九・一%となっており、ほとんどの高校生がSNSを利用しているという結果でございました。  また、携帯電話、スマートフォンを一日に二時間以上、三時間未満利用している割合は一九・七%、三時間以上利用している割合は二〇・七%という結果でございました。  次に、SNS利用における学校の指導についてでございます。  長時間利用によるネット依存や、トラブル、犯罪に巻き込まれないようにするために、平成二十六年一月に「学校における携帯電話・スマートフォンの取扱いに関する基本方針」を策定してございます。  各学校では、この基本方針をもとに、警察などの関係機関と連携して毎年実施をしております防犯教室におきまして、携帯電話やスマートフォン、SNSなどを利用するときの危険性や問題点を指摘し、適切に利用することなどを指導することや、高校の入学予定者説明会などで生徒や保護者に対して、携帯電話やスマートフォンの適切な利用について説明することなどに取り組み、情報モラル教育を組織的、体系的に推進しているところでございます。  また、県教育委員会では、学校ネットパトロールから情報提供を受け、いろいろな問題が発覚した場合は、学校に連絡し、速やかに指導するようにしております。  そのほか、県教育委員会主催で教員対象の研修会などを実施して学校での情報モラル教育の充実を図っているところでございます。  次に、保護者への啓発活動についてお尋ねがございました。  御指摘のように、SNSの利用によって生じる問題や長時間利用による生活習慣の乱れなどは、学校での指導に加えまして、保護者に問題意識を持っていただくなど、保護者の理解と協力が不可欠であると考えております。  特に、家庭内でのSNS利用のルールづくりやフィルタリング機能を利用することなどにつきまして、入学予定者説明会や三者面談などで注意喚起の文書を配布するなどの保護者への啓発に取り組んでいるところでございます。  最後に、今後の取り組みでございます。  高校生の多くがスマートフォンなどを所持し、SNSを利用している現状におきまして、スマートフォンを利用する際の問題やSNSに関する問題、学校外での長時間利用の実態等を考えますと、学校や保護者だけでなく、関係機関と連携協力した取り組みを行うことが重要であると考えております。  先般、教育委員と公安委員の意見交換会でも、子供たちのスマートフォン等通信機器利用に係る問題について議論したところでございまして、スマートフォンの光と影の部分を繰り返し教えることの必要性や、改めて関係機関が連携して取り組んでいくことが必要との意見をいただいたところでございます。  このため、県教育委員会では生徒の利用状況や保護者の認識を把握し、その結果を分析した上で今後どのような取り組みが考えられるのか検討していきたいと考えております。  いずれにいたしましても、県教育委員会としては、これからの情報化社会におきまして、SNSなどのコミュニケーションツールを適切に利用できるようにするため、なお一層の情報モラル教育の充実を図りますとともに、保護者、関係機関とも連携して取り組んでまいります。  私からは以上でございます。 30 ◎副議長(桃崎峰人君) 暫時休憩します。     午後三時一分 休憩 平成二十八年十二月五日(月) 午後三時三十一分 開議  出席議員    三十六名     一番  井 上 祐 輔     一六番  内 川 修 治     三一番  竹 内 和 教     二番  青 木 一 功     一八番  藤 崎 輝 樹     三二番  石 井 秀 夫     三番  木 村 雄 一     一九番  向 門 慶 人     三三番  留 守 茂 幸     四番  西久保 弘 克     二〇番  坂 口 祐 樹     三四番  石 丸   博     五番  池 田 正 恭     二一番  宮 原 真 一     三五番  木 原 奉 文     六番  井 上 常 憲     二二番  原 田 寿 雄     三六番  中 倉 政 義     七番  中 本 正 一     二三番  岡 口 重 文     三七番  石 倉 秀 郷     八番  野 田 勝 人     二四番  大 場 芳 博     三八番  桃 崎 峰 人     九番  江 口 善 紀     二五番  指 山 清 範    一〇番  古 賀 陽 三     二六番  土 井 敏 行    一一番  川 崎 常 博     二七番  武 藤 明 美    一二番  定 松 一 生     二八番  稲 富 正 敏    一三番  八 谷 克 幸     二九番  徳 光 清 孝    一四番  米 倉 幸 久     三〇番  藤 木 卓一郎 欠席議員    なし 欠  員    二名 地方自治法第百二十一条による出席者          知        事   山  口  祥  義          副   知   事    池  田  英  雄          副   知   事    副  島  良  彦          政  策  部  長   落  合  裕  二          総  務  部  長   大  田  芳  洋          地域交流部長       坂  本  洋  介          県民環境部長       山  口  康  郎          健康福祉部長       藤  原  俊  之          産業労働部長       石  橋  正  彦          農林水産部長       御  厨  秀  樹          県土整備部長       和  泉  惠  之          危機管理・報道局長    大川内   直  人          文化・スポーツ交流局長  白  井     誠          男女参画・こども局長   川久保   三起子          会 計 管 理 者    西  山  和  紀          公 安 委 員 長    溝  上  泰  弘          警 察 本 部 長    逢  阪  貴  士          教   育   長    古  谷     宏          人 事 委 員 長    大  西  憲  治          人事委員会事務局長    社  頭  文  吾 職務のため議場に出席した事務局職員          議会事務局長       久  本  智  博          同    副事務局長          議事調査課長事務取扱   毛  利  明  彦          総  務  課  長   江  島  秀  臣          政務調査室長       白  濱  光四郎          議事調査課参事      篠  田  博  幸          総務課副課長       溝  上  信  彦          議事調査課議事担当係長  原     康  祐          同    議事担当主査  井  上  智  宏         ○ 開     議 31 ◎議長(中倉政義君) これより会議を開きます。  休憩前に引き続き一般質問を行います。 32 ◎池田正恭君(拍手)登壇=皆様こんにちは。自由民主党の池田正恭でございます。議長に登壇の許可を受けましたので、一般質問を行いたいと思います。
     十一月定例会一般質問二日目の最終ということで、緊張感を持ちながら質問を行っていきたいと思っております。  私自身、県民の皆様の声を聞きながら、即現場、即行動ということで、現場のほう、また、地元の方といろいろお話をしておるところでございます。  そういうふうな皆さんの声を聞きながら、今回の一般質問を行っていきたいというふうに思っております。知事を初め、執行部の皆さんの誠意ある答弁をよろしくお願いしておきます。  今回、私は五項目について質問をいたします。  第一項目めとして農業農村整備事業の推進について、第二項目めとして九州新幹線西九州ルートについて、第三項目めとして県総合運動場・県総合体育館エリアの整備について、第四項目めとして私立高等学校運営費助成について、第五項目めとしてふるさと納税についての五項目を質問したいと思っております。  通告に従いまして順次質問していきますので、よろしくお願いをしておきます。  まず第一項目めとして、農業農村整備事業の推進について伺います。  本県の農業農村整備事業は、これまで昭和四十年代からの圃場整備事業やかんがい排水事業、クリーク整備事業等に取り組まれ、農業の生産性の向上、安全で質の高い食料の供給に寄与してきたところではなかろうかというふうに思っております。  このような取り組みもあって、本県農業は三十年連続で日本一高い耕地利用率を維持し、担い手への農地集積が図られているところであり、農業農村整備事業は本県の基幹産業である農業を支え、農業の振興を果たす重要な役割を担っていると考えております。  しかしながら、圃場整備事業などの生産基盤の整備は四十年以上経過している地区もあり、私も地元に出向けば、農家や土地改良区の方々から水路や暗渠排水の整備、ゲートやポンプの補修など、さまざまな要望を聞いており、その必要性や重要性を痛感するところであります。  このような中、平成二十四年度の国の補正予算において、きめ細かな整備が可能な農業農村整備促進事業が創設されています。  この事業は、暗渠排水を含む小規模な整備が可能で柔軟に対応できることから従来の県や市町の単独事業にかわって活用され、使い勝手がよいことから地元からのニーズも非常に多く、県内全域で多数の地区が実施されています。  しかしながら、新たな事業や制度の創設、見直しが行われるなど、農業農村整備事業を取り巻く情勢は刻々と変化し、近年は事業予算も厳しく、地元からの要望に十分応えられない状況が続いていると思われます。  私自身も平成二十七年の九月議会一般質問で、排水不良田の実態と対策状況や、農業基盤整備事業の暗渠排水事業の平成二十七年度の当初予算に対する割り当て状況や、県としての暗渠排水事業の整備を早期に進めていくための考えなどについて質問をしております。  当時の県の回答として、排水不良田の面積は平成二十七年九月時点では一万六千七百四十九ヘクタール、平成二十七年度末までに一万二千七百十九ヘクタールの整備を行い、進捗率は七六%というふうに回答されております。  また、農業基盤整備促進事業の暗渠排水事業地区については、五市三町十三土地改良区から二十九地区、二十九億二千百万円の要望に対して予算割り当てが十二億五千七百万円の四三%になっており、県としても関係団体と連携を図り、国へ地域の実情を説明しながら、効果的な予算確保に努めていきたいと回答されております。  今後の本県農業を支える農業農村整備事業にとって、その時々の情勢の変化に的確に対応していくことが重要ではないかと考えております。  そこで、次の点について伺います。  第一点目として、これまでの県の農業農村整備予算の推移について伺います。  昨今、農業農村整備事業予算は非常に厳しいのではないかと感じておるところです。これまでの農業農村整備事業費及び農業基盤整備促進事業費の推移はどうなっているのか伺いたいと思います。  次に第二点目として、農業基盤整備促進事業の暗渠排水事業の定額助成単価見直しの経緯及び今後の県の対応について質問をするようにしておりました。  先ほどの定松議員の再質問に対し、知事が答弁した農家負担については、しかるべき対応を市町とともに考えると発言されており、ぜひとも実行に移してもらいたいというふうに思っております。  本当に事業主体である市町、土地改良区と十分な協議をしていってもらいたいと思っておるところです。  実は私自身も、平成二十四年度に国の補正予算において農業基盤整備促進事業が創設された当時、市の担当部長として事業の推進をしてきております。今まであった事業とは到底考えられないほど有効な事業でありました。  要望をとったところ、多くの要望面積があり、この事業を実施していったところ、本当に事業推進していくうちに、先ほども申しましたが、予算の確保が困難な状況になっており、暗渠排水事業がなかなか進まなかったのが実情です。  先ほど県全体で暗渠排水事業の残面積が三千四百ヘクタール、要望面積に対して二〇%が残っているというふうな回答がされておりました。  私が在職していた地元小城市においても、残面積で五百三十五ヘクタール、要望面積に対してまだ四八%も残っているような状況です。  こういうふうに、事業途中に要綱の変更によって定額の助成率が変わってくるということで、今まで事業を実施された方、また面積が残っておる方、そういうふうな不平等がないように、ぜひともこの件については県の対応をよろしくお願いします。  本当に地元の中での話ということで、事業主体である市町や土地改良区も、地元の方々に説明ができないというふうなことを言われております。やはり不平等が生じないように十分に対応していってもらいたいというふうに思っております。やはりこういう事業は本当に地元の方々からは歓迎をされております。やはり水田利用率日本一を目指す上でも乾田化が必要じゃなかろうかと思っております。  次に第三点目として、今後の農業農村整備事業の推進について伺います。  本県農業を支える農業農村整備事業は今後とも地元のニーズに的確に対応し、稼げる農業の実現に必要な整備を実施していくべきだと考えていますが、県として今後どのように取り組んでいくのかお伺いします。  次に第二項目めとして、九州新幹線西九州ルートについて伺います。  この問題については、今議会の一般質問きょうで二日目なんですけども、私で十人目、そのうち、この新幹線西九州ルートを取り上げておられる議員の方が五名、私で五番目に当たります。さまざまな、いろいろな議論がなされております。確認の意味も込めまして伺いたいというふうに思っておるところです。  一昨年の耐久走行試験において、ふぐあいにより試験が中断されたフリーゲージトレインについては、昨年十二月の軌間可変技術評価委員会でふぐあいの原因と対応策が承認され、その後、台車試験などの検証試験が行われてきたところですが、去る十一月十八日の委員会では耐久走行試験に移行する条件は満たされていないとして、さらに約半年の検証走行試験を実施し、あわせて一般の新幹線に比べて二・五から三倍程度コスト増となることから、コスト削減策の検証が行われると聞いております。  新聞報道によりますと、十一月三十日に開催された与党プロジェクトチームの検討委員会では、開発がおくれているフリーゲージトレインの技術的な検証結果が出る半年後に、フリーゲージトレイン導入を前提としてきた現行計画の見直しの必要性についても判断することを確認しているというふうに言われております。  フリーゲージトレインの開発は国が巨額の予算をつぎ込み、国の責任において進めていただきたいと考えておりますが、高度に技術的な問題であり、また、これまでの開発状況を見ていると、本当にフリーゲージトレインの開発ができるのか、西九州ルートに導入することができるのか、懸念せざるを得ない状況であると思います。  今回の軌間可変技術評価委員会の結果を踏まえ、国はフリーゲージトレイン導入スケジュールに変更がないように取り組むとされていると聞いておりますが、県は今回の結果をどう受けとめ、今後どのように対応していくつもりなのか、地域交流部長に伺います。  次に第三項目めとして、県総合運動場・県総合体育館エリアの整備について伺います。  平成三十五年に佐賀県で国民体育大会・全国障害者スポーツ大会が開催されます。その準備に当たっては、県は両大会における主要な会場となるであろう県総合運動場・県総合体育館エリアの整備について検討をするため、今年度、県総合運動場等整備基本計画検討委員会を設置し、検討を進められており、先月の十六日には本委員会から県に提言書が提出され、二十二日には競技団体等から施設整備に関する要望書が提出されたとのことであります。  このエリアは陸上競技場や水泳場、テニスコート、体育館などさまざまな競技施設があるからこそ、新設、改修などを含め、県内スポーツの拠点としての整備が必要だと思っております。やはりそれだけ整備をしながら、やはり子供たちにここで競技をしたいと思われるような新設、改修などをやってもらいたいというふうに思っておるところでございます。  そこで、このエリアの整備について四点伺います。  第一点目として、県総合運動場・県総合体育館エリアの整備基本計画を策定するために、今までどのような検討を行ってきたのか伺います。  次に二点目として、県総合運動場等基本計画検討委員会から県に提出された提言はどのようなものか伺います。  第三点目として、競技団体等から県に提出された要望はどのようなものか伺います。  以上の三点については文化・スポーツ交流局長に伺います。  最後に第四点目として、検討委員会からの提言書を踏まえ、県総合運動場・県総合体育館エリアについてはどのような方向性で整備をするのか。特にプロスポーツや全国大会規模のイベントを開催できるアリーナ整備について検討する旨を知事は今議会の知事提案事項説明において表明されておりますが、このアリーナの整備についてどのように考えているのか、知事の所見を伺いたいと思います。  第四項目めとして、私立高等学校の運営費助成について伺います。  私立高等学校は、建学の精神に基づき、時代に応じた特色ある教育を展開するなど、本県教育の振興に大きく貢献をしています。特に私立高等学校は、県立高等学校にはない学科の設置や、幅広く生徒を受け入れるなど、みずからの創意工夫により、各校が魅力を打ち出してきたところでありますが、少子化の進展に伴う生徒数の減少に加え、最近では県外の高校へ進学する生徒も増加するなど、その経営は非常に厳しい状況になっていると聞いています。  県議会としても九月定例会において「私学助成の充実強化等に関する意見書」を決議し、国へ提出したところであります。県においては、おのおのの学校がみずからの創意工夫によって特色ある学校づくりを推進し、人材の輩出ができるようにさまざまな助成に取り組まれていますが、少子化の中、私立高等学校が社会の要請に応じた教育を推進していくためには、さらなる支援が必要になってくるものではないかというふうに思っております。  そこで、次の点について伺います。  第一点目として、私立高等学校へは運営費や施設整備に対する助成などが行われておりますが、私立高等学校の運営費助成の状況はどのようになっているのか伺います。  次に第二点目として、私立高等学校の教育条件の維持向上を図り、教育改革への対応など私立高等学校が社会の要請に応じた新しい教育を推進していくためには、これまで以上に経費が必要になってくるものと思われます。経営の健全性を高め、新しい教育を推進していくためには、運営費助成のさらなる充実を図るべきと考えますが、県としては今後の運営費の助成についてどのように考えているのか伺います。  以上二点について総務部長に伺います。  最後に第五項目めとして、ふるさと納税について伺いたいと思います。  このふるさと納税は、個人が自治体に寄附を行うと、寄附金額のうち二千円を超える額が寄附者の所得に応じた一定の範囲内で税から控除される制度であります。  もともと地方で生まれ、教育を受けて育った多くの若者が、進学や就職を機に都会へ出ていってしまい、都会で納税をする結果、ふるさとである地方の自治体には税収がなくなってしまう。そこで、育ててくれたふるさとやお世話になった自治体へ寄附を通じて恩返しや応援ができるようにとの思いから、平成二十年度に創設されたものです。  ここ数年では、寄附のお礼として地元の特産品を送付したり、寄附募集のPRを積極的に行う自治体がふえ、テレビ等のメディアでも頻繁に紹介されて認知度が上がり、寄附がどんどんふえている状況にあると思っております。  九州七県は、平成二十七年度に四百四十三億円を超す寄附金が集まり、前年度比約五・九倍になり、全国の四分の一以上を占めていると聞いております。県内においても、ふるさと納税に積極的に取り組む市町がふえ、寄附実績が増加しており、地場産品の振興や寄附収入による財源の確保につながっていたり、新たな雇用にもつながったとの声も聞いており、ふるさと納税制度は自治体にとってよい制度だというふうに思っております。  このような中、県におけるふるさと納税の取り組みや実績などについて伺います。  第一点目として、生まれ育ったふるさとへの寄附ということで、多くの方が思い浮かべられるのは、市町であると思いますが、このような中、県がふるさと納税に取り組んでいる理由は何なのか伺います。  次に第二点目として、県の昨年度の取り組みについて伺います。  県では、制度創設の平成二十年度からふるさと納税に取り組み、昨年度は取り組みを拡充したとのことですが、拡充した理由は何なのか。また、具体的な拡充の内容はどのようなものか伺います。  次に第三点目として、取り組みを拡充した結果、昨年度の寄附実績はどうなったのか。また、拡充前の一昨年度と比べてどうなのか伺うとともに、県内市町への寄附が減るなど市町への影響はなかったのか伺います。  第四点目として、県内市町では返礼品として地元産品を数多くそろえ、PRを強化するなど、ふるさと納税に積極的に取り組まれており、県及び市町全体として寄附実績がふえていることはよいことだと思っております。ただ県としては、市町と同様の取り組みを行うというのではなく、市町の参考となるような取り組みや県全体の特産品のPRにつながるような取り組みを工夫して行ってほしいというふうに考えておりますが、県としての今後の取り組みについて伺います。  以上、四点について総務部長に伺います。  以上で私の五項目の質問を終わります。明確な答弁、よろしくお願いしておきます。(拍手) 33 ◎山口知事 登壇=池田正恭議員の御質問にお答えいたします。  私には、県総合運動場・県総合体育館エリアの整備の方向性についてお尋ねがございました。  これは以前にも申し上げましたけれども、私は、海外でスタジアムなどのスポーツ施設を視察する機会がありますが、特に海外のほうは、試合のある日は試合がある時間帯だけではなくて、その数時間前から大勢の人が集まって、バーベキューを楽しんだりとか、いろいろなことを活動されています。そして、試合がないときであっても、皆それぞれ走ったり散策したり、モニュメントの前でおじいちゃん、おばあちゃんが孫に昔の栄光の話を伝えたりとか、そういうふうなゾーンになっているわけでありまして、そういったところには本当にスポーツを楽しむ文化があります。スポーツをする人だけではなくて、しない人も楽しめる憩い、にぎわい空間となっているというふうに感じておりまして、どちらかというと、我が国のほうは教育体育だったり、競技重視だったりとか、そういった観点でつくられることが多いもんですから、スポーツ文化を楽しめるといったところは、ややもすると日本では育まれてこないという環境にあったのかなと思ったりしています。  佐賀県には、県総合運動場、総合体育館といった県を代表するスポーツ施設が集積しているエリアがあるわけですけれども、このエリアは県内スポーツの拠点として、県民にも長く親しまれたエリアと思っています。佐賀駅からも近く、アクセスしやすい環境だというふうに思っています。  今後、ラグビーワールドカップ、それから東京オリンピック・パラリンピック、佐賀国体・全障スポという流れの中で、このエリアを皆がスポーツを楽しみながらレガシーが残るゾーンにしたいと考えておりまして、この整備に当たっては、スポーツをするだけでなく、見る、支える楽しみもまた味わうことができるものとすべきだろうと考えています。  また、アスリートがさまざまな競技で活躍し続けられるような育てる機能ですとか、憩い、にぎわう空間を持つ施設としていきたいということで、県民に夢や感動を生み出すような一大拠点エリアとしたいと思っています。  私は以前、広島の広島グリーンアリーナという施設に行ったことがあるんですけれども、町の同じような中心部にあって、たくさんの県民がスポーツを楽しんで、話を伺いますと、そこでプロスポーツの大会ですとかコンサートが数多く開催されるということで、非常に活気があるエリアだというふうに聞きました。  その一方で、広島の湯崎知事から、その施設は湯崎知事の前の知事がつくったんだけれども、なかなかその設計上の理由、建築物の高さ制限があったりとか、そういうことで地下に建設せざるを得なかったという理由なのか、過大なコストになって、その後の県財政に影響があったというふうな話もお伺いしたので、やはりこういったものはコスト面も配慮しながら計画していかなければいけないなというふうに再認識させていただいたところであります。  ちょうど佐賀で国体・全障スポがあるときに、我々の県総合体育館は建設三十七年を迎えます。そうした中で、私は新アリーナの整備によって一流のスポーツイベント等に県民がじかに触れるということだけではなくて、例えば、大規模な展示会であったり、一流のアーティストによるライブ等の開催が可能となりますし、文化面での県民満足度の向上にも一大ステージとして考えられるのではないか、そして地域振興効果もあるのではないかというふうに考えているところであります。  今般、県に提出された提言書の中でも、そういった意見が出されております。  いずれにいたしましても、財政面への影響、需要見込みを十分に考慮しながら、このエリアが七年後の国民体育大会・全国障害者スポーツ大会での活用だけにとどまらず、佐賀らしさを生かした、佐賀デザインの視点も取り入れ、本物のレガシーエリアになりまして、その後の佐賀県の浮揚においてもつながるように整備してまいりたいと考えております。  私からは以上でございます。 34 ◎大田総務部長 登壇=私のほうからは、二項目についてお答えさせていただきます。  まず、私立高等学校運営費助成についてでございます。  私立高等学校運営費助成の状況についてお答えいたします。  県では、私立高等学校の教育条件の維持向上や、保護者の経済的負担の軽減を図るとともに、経営の健全性を高めることを目的に、私立高等学校への運営費の助成を行っているところでございます。  私立高等学校は、県立高等学校とともに、佐賀県の高等学校教育の一翼を担い、多様な教育サービスの提供により、本県教育の振興や人材育成に大きく貢献していただいており、私立高等学校への運営費助成については、これまでもその充実を図ってきているところでございます。  学校運営に要する人件費や教育研究費など、一般的な経費を対象とした運営費補助につきましては、年々増額してきております。平成二十八年度予算における補助総額は約二十二億円、生徒一人当たり単価では三十六万二千百二円と過去最高となっているところでございます。  なお、文部科学省の調査によりますと、平成二十七年度の生徒一人当たりの単価では、全国で五位、九州では一位となっているところでございます。  また、一般的な経費に対する運営費補助の対象経費の拡大を行い、冷暖房に係る光熱費を補助対象に加えたところでございます。さらに、スクールカウンセラーの配置や伝統文化等に関する教育の推進など、その時々のニーズに応じた教育に要する経費につきましては、別枠で補助するなど、運営費助成の充実改善を行ってきたところでございます。  次に、運営費助成のさらなる充実を図るべきと考えるが、どうかというお尋ねでございます。  議員御指摘のとおり、私立高等学校の運営にはさまざまな課題があることから、私自身、県内全ての私立高等学校を訪問し、各学校が抱える問題や少子化の進展に伴う生徒数の減少への対応策等について、校長先生方と意見交換を行ってきたところでございます。  学校側からは、建学の精神に基づいた特色ある教育内容を説明いただきました。例えば、大学への進学を希望する生徒のための特別進学クラスの設置について。それから、遠方からの生徒のためのスクールバスの運行や学生寮の運営。それから、部活動の充実強化のための専門の指導者の招聘や専用の施設設備の整備。それから、県外からの生徒確保のための県外での学校説明会や入学試験の実施といった各学校の生徒確保のための取り組みについて熱心に御説明いただいたところでございます。  私の感想といたしましては、生徒たちの学校に入る入口から在学中、それから就職、進学まで、その三つの段階でそれぞれの各学校の特色を生かして頑張っていただけるものと感じました。  入口に当たっては生徒募集に関する工夫、それから、在学中に当たっては、特に感じたことは、生徒の自立に向けてさまざまな工夫、努力を行っていることを厚く感じたところでございます。さらに出口につきましては、就職、進学について一人一人の個性に応じた指導をされていると実感したところでございます。現場に赴きまして、生の意見を聞けたことはよかったことと思っております。  私からは、各学校に対して、私立高等学校に通う生徒が佐賀県のすばらしい人や物に気づき、佐賀を愛する心を育むための取り組みをお願いいたしました。加えて、学校の特色を生かした魅力ある学校づくりにさらに力を入れていただくよう強くお願いしたところでございます。  私立高等学校への運営費に対する助成につきましては、先ほど申し上げましたとおり、これまでもさまざまな工夫をしながら充実を図ってきたところでございます。学校現場が抱える諸課題に対応するため、今後とも現場の意見を聞きながら、運営費助成の充実や改善に努めてまいります。  次に、二項目めのふるさと納税についてでございます。  県がふるさと納税に取り組んでいる理由についてのお尋ねでございます。  本県におきましては、制度創設の平成二十年度からふるさと納税に取り組んでいるところでございます。県が取り組んでおります主な理由といたしましては、三つございます。  一つ目は、生まれ育ったふるさと佐賀に貢献したいとか、佐賀県の施策を応援したいという思いで寄せられた寄附金を、本県の施策への活用を通じて形にすることで、寄附をいただいた方の思いに応えること。  二つ目は、本県の歳入の確保でございます。  三つ目につきましては、ふるさと納税制度の積極的な活用により、地方への応援の輪を広げ、地場産業の振興など地方創生にもつなげていきたいという思いからでございます。  このような理由から、県においてもふるさと納税に取り組んでいるところでございます。
     なお、ふるさと納税は受益と負担の関係の例外と考えております。一定の節度が必要と思っておりますので、その観点も踏まえながら取り組んでまいりたいと思っております。  次に、県の昨年度の取り組みについてでございます。  まず、昨年度取り組みを拡充した理由でございます。  平成二十七年度の国の税制改正におきまして、ふるさと納税を促進し地方創生を推進するために制度を拡充するとされました。  一点目が、税から控除される額の上限が約二倍となりました。それから、控除を受ける手続が簡素化されたところでございます。  この改正の趣旨を踏まえ、ふるさと納税制度の積極的な活用により、本県への関心を深めてもらい、地場産業の振興を図り、地方創生にもつなげていくために取り組みを拡充したところでございます。  次に、拡充した内容でございますが、具体的には、寄附者から寄附金の使い道を県の十六種類の施策から選択していただき、佐賀らしいお礼をお送りするこれまでの取り組みを「施策応援コース」として継続しつつ、さらに、新たに県外居住者を対象といたしました「地場産業応援コース」を追加いたしました。このコースのお礼の品に本県の魅力ある特産品を導入するとともに、インターネットを効果的に活用した寄附募集を行うなど、取り組みを拡充したところでございます。  次に、県の昨年度の寄附実績及び県内市町への影響についてでございます。  県の平成二十七年度の寄附実績は、「施策応援コース」につきましては、約七百件の約一億円でございます。次に、「地場産業応援コース」につきましては、約一万四千五百件の約三億三千万円でございます。NPO支援につきましては、約五千百件の約一億五千万円となっております。合計で約二万三千件(187頁で訂正)、寄附額といたしましては、約五億八千万円の寄附が寄せられたところでございます。  一昨年度、平成二十六年度につきましては、合計で約一千件、約四千万円の寄附となっておりましたので、平成二十七年度は拡充前の二十六年度に比べまして、件数として一万九千三百件の増、それから、寄附額として約五億四千万円の増となっているところでございます。  先ほどの合計のところでございますが、合計で二万三千件と申しましたが、二万三百件の間違いでございます。訂正しておわびいたします。  次に、県内市町の寄附実績を見ますと、平成二十六年度につきましては、市町合計で寄附件数が七万五千三百件、寄附額が約十七億七千万円となっております。  平成二十七年度につきましては、寄附件数が約四十万六千五百件、寄附額が約九十億八千万円となっております。  平成二十六年度と比べまして、件数として三十三万一千二百件の増、寄附額として約七十三億一千万円の増となっているところでございます。  県では、昨年七月からお礼の品に特産品を導入するなど、取り組みを拡充したところでございますが、県が拡充した以降におきましても、県内市町への寄附額は大きく増加しているところでございます。  次に、県の今後の取り組みについてでございます。  まず、市町の参考となる取り組みについてでございます。  県では、「有明海の保全・再生」など施策内容を具体的に明示した十六種類の使途メニューから寄附者に応援したい施策を選んでいただく「施策応援コース」に取り組んでいるところでございます。  この豊富で具体的な使途メニューの設定は他の自治体には余りなく、市町の参考にしていただけるのではないかと思っているところでございます。  今後、県といたしましては、さらに多くの方に本県の施策を応援したいと思っていただけますように、「施策応援コース」の使途メニューに本県の新たな施策を反映させるなどの見直しを行っていきたいと考えております。  次に、県全体の特産品のPRにつながる取り組みをということでございました。  「地場産業応援コース」のお礼の品は、県全体の視点を持ってブランド化の推進、それから、消費拡大による地場産業の振興が図られますよう、「佐賀牛」や「さがびより」のほか、有田焼、佐賀錦などの県を代表する特産品を選定いたしまして、その生産過程や歴史、魅力をインターネットに掲載して知名度の向上を図っているところでございます。  寄附の大部分、約九八%でございますが、インターネットから申し込まれているところでございます。  今後は、本県を代表する特産品や本県のふるさと納税の取り組みをより多くの方に知っていただくために、インターネット申し込みサイトの数をふやすことについても検討してまいりたいと思っております。  いずれにいたしましても、先ほど受益と負担の関係の例外であると申しましたが、ある程度の節度を保ちつつ、佐賀を応援したいという寄附者の思いに応えることができるよう、さらには佐賀を応援していただく方が一人でもふえるよう、ふるさと納税に取り組んでまいりたいと考えております。  私からは以上でございます。 35 ◎坂本地域交流部長 登壇=私からは、九州新幹線西九州ルートについてお答えいたします。  去る十一月十八日にフリーゲージトレインの技術開発に関する評価を行います軌間可変技術評価委員会が開催され、これまで実施されたふぐあい対策の室内試験では、耐久走行試験に移行する条件が満たされていないことから、検証走行試験などを実施した上で来年初夏をめどに改めて評価し、耐久走行試験を再開したいということになりました。  検証試験が順調に進み、耐久走行試験が再開されることを期待しておりましたので、この結果については残念であります。  ただ一方で、武雄温泉─長崎間の施設整備は計画どおり進捗しております。六者合意で確認しております平成三十四年度の武雄温泉駅でのリレー方式による西九州ルートの暫定開業については決定されているところでありまして、このことについては変更されるものではございません。  ただ県といたしましては、西九州ルートがフリーゲージトレインにより全線開業し、関西、中国地方から人を呼び込むことができると考えておりまして、そのことが重要であることから、フリーゲージトレインの技術開発に責任を負う国に対しまして、節目節目での情報提供を求めながら、フリーゲージトレインの技術開発の進捗状況を注視していきたいと考えております。  以上でございます。 36 ◎御厨農林水産部長 登壇=私からは、農業農村整備事業の推進についてお答えをいたします。  まず、これまでの県の農業農村整備事業予算の推移についてでございます。  この事業の県予算につきまして、事業費ベースの最終予算で見ますと、平成二十二年度は国の農業農村整備事業予算の大幅な削減の影響によりまして、前年度より約三十億円少ない約百億円となり、翌年の平成二十三年度は約七十二億円と、さらに減少いたしております。  平成二十四年度は、大型の経済対策が実施されたことから、約百三十八億円と一旦大幅な予算確保が図られましたものの、その後、平成二十五年度は約八十五億円、平成二十六年度は約七十三億円、平成二十七年度は約六十五億円となってございます。  本年度につきましては、国からの当初割り当てを反映いたしました県予算は約八十一億円でございます。  今、十一月議会におきまして、経済対策による補正予算を約二十八億円お願いしているところでございまして、これを合わせますと約百九億円となってございます。  一方、県予算として計上しておりません市町や土地改良区への国からの直接補助事業でございます農業基盤整備促進事業の予算は、事業費ベースで見ますと、平成二十五年度の予算、約三十六億円と比較しますと、平成二十六年度は約十七億円、平成二十七年度は約二十億円、平成二十八年度は約十二億円と減少傾向でございまして、いずれにつきましても、地元要望に十分に応え切れていない状況にございます。  次に、暗渠排水事業の定額助成単価の見直しに関しまして、議員からは、まだ地元では多くの事業要望が残っていると。そういう中で、これまでできた方とできていない方の不平等がないように、補助率のかさ上げについて、事業主体である市町、土地改良区と十分な協議をしてもらいたいという御質問がございました。  暗渠排水の整備につきましては、米に加えまして、麦、大豆、キャベツ、レタスなど露地野菜をつくる、いわゆる水田をフル活用するという点では、本県の農業振興にとって極めて重要なものであるというふうに認識をいたしております。  今回の国の定額助成単価の見直しによりまして、農業基盤整備促進事業の定額助成による事業継続は大変厳しいことから、今後の暗渠排水の整備につきましては、国と県の補助がございます既存制度の基盤整備促進事業を活用していただきたいと考えているところでございます。  この事業は、市町や土地改良区が事業主体となり、国五〇%、県一五%の補助率で実施するものでございますが、議員おっしゃるとおり、市町や土地改良区では、これまで実施した農家と、これから予定している農家で不平等が生じるというようなことから、その対応に大変苦慮されている現状がございます。  この件につきましては、先ほど定松議員の質問の折に知事がお答えしたとおり、県としても、市町と一緒になってしかるべき対応がとれるようにしっかりと検討いたしたいと思っております。  最後に、今後の農業農村整備事業の推進についてでございます。  本県は、先ほど議員からも御指摘のとおり、この農業農村整備事業で整備された基盤を生かしまして、全国一の耕地利用率を維持し続けているほか、担い手への高い農地集積率を達成していることなど、農業農村整備事業が本県の基幹産業である農業の下支えになっているものと認識をいたしております。  しかしながら、この事業の予算につきましては、地元要望に十分応え切れていない状況でありますことから、事業の優先順位をつけるなど、特に緊急性の高い事業を重点的に実施しているところでございます。  このようなことから、今後とも国の動きなどを注視し、県内のさまざまな声、団体の意見などを聞きながら、計画的な事業推進を図っていきたいと考えております。  また、農業農村整備事業予算の確保につきましては、特にことしの十月には知事と市町の首長さんたちで構成するGM21による提案活動を実施してもらったところでございまして、引き続き知事を先頭に、あらゆる機会を通じて国へ提案活動を行い、必要な予算確保に努めてまいりたいと考えております。  以上、お答えいたします。 37 ◎白井文化・スポーツ交流局長 登壇=私からは、県総合運動場・県総合体育館エリアの整備について三点お答えをいたします。  まず、県総合運動場等整備基本計画の検討の経過について、今までどのような検討を行ってきたのかというお尋ねでございました。  県では、県総合運動場・県総合体育館エリアにおける整備基本計画を策定するために、本年五月に県総合運動場等整備基本計画検討委員会を設置いたしました。  委員には利用者や競技団体、学識経験者はもとより、スポーツツーリズム関係者や県内プロスポーツ関係者など、幅広い視点での意見が期待される方々を選定いたしまして、これまで四回にわたり検討をいただいているところでございます。  検討委員会では委員の皆さんに先入観を持たずに将来を見据えた自由な意見をお願いしたところでございまして、佐賀県の地理的特性や現状施設の問題点、あるいは地域の活性化を実現する基盤としての先進的なスポーツ施設のあり方等について、専門的見地から活発な意見交換をしていただいたところでございまして、先月の十六日に検討委員会から施設整備に係る提言書が提出されたところでございます。  次のお尋ねは、この検討委員会からの提言についてどのようなものであったのかというお尋ねでございました。  今回、検討委員会からいただいた提言書では、まず、整備の方向性として、スポーツに関して、「する」、「育てる」、「観る」、「憩いにぎわう」に対応した施設整備を行うよう提言をされたところでございます。  例えば、「する」スポーツについては、誰もがここでスポーツをしたいと憧れるような魅力ある施設にすることが必要であること。  「育てる」スポーツについては、特に総合体育館は、今後は選手を育成する施設としてきちんと位置づけて整備をすることが必要であること。  「観る」スポーツについては、プロの試合やトップレベルの試合を快適な環境で観戦できる「観る」スポーツに対応したアリーナの整備が必要であること。  「憩いにぎわう」スポーツについては、エリア内に公園のような空間を設け、木陰や子供の遊び場などスポーツをしない人でも日常的に気軽に楽しめる環境をつくることが必要であることなどの意見をいただいたところでございます。  加えまして、エリアに付加すべき機能として、障害者や高齢者に優しい施設整備や防災拠点としての施設整備、あるいは収益のことを考え、カフェやレストランの設置に加えて、駐車場の有料化を行うことなどについて検討することが必要との意見をいただいたところでございます。  次に、三番目のお尋ねは、競技団体等から県に提出された要望については、どのようなものであったのかというお尋ねでございました。  先月の二十二日に県水泳連盟や県バレーボール協会など十七の競技団体及び県障がい者スポーツ協会から要望書が提出されました。  まず、競技団体からは、現状の施設では老朽化しており、規模や機能面においても十分でないため、大規模大会の開催に支障が出ており、大会等の積極的な誘致に踏み切ることができないという御意見や、未普及競技についても練習拠点をきちんと整備してほしいという意見がございました。  さらには、県民が誇りを持ち、また、訪れる人が憧れを持ってくれるような施設を早期に実現していただきたいなどの要望がなされたところでございます。  次に、県障がい者スポーツ協会からは、障害者スポーツを含むトップアスリートの競技を佐賀で観戦できる環境をつくっていただくとともに、その際には障害者のさまざまな意見を取り入れ、障害者に最大限配慮した全国でナンバーワンの施設として誇れるように整備をしてもらいたいなどの要望がなされたところでございます。  県といたしましては、これらの提言書や要望書を参考にするとともに、県民の皆様からの御意見も直接いただきながら、今後具体的な青写真となる整備基本計画を策定していきたいと考えているところでございます。  私からは以上でございます。 38 ◎池田正恭君 登壇=一点だけ再質問を行いたいというふうに思っております。  先ほどの農業農村整備事業の推進についてで、暗渠排水についてはそれぞれ対応をしていくという答弁でしたけども、今後の農業農村整備事業の推進の中で、やはりなかなか予算が厳しいというお話もあっておりました。暗渠排水を定額助成の事業から既存の農業基盤整備促進事業に変更したほうがやはり定率の五〇%と、今のところは一五%ですけども、これが幾らになるのかはまた話し合いだと思いますけども、その中で例えば、既存の農業基盤整備促進事業に乗りかえたというときに、来年度、要するに二十九年度、もう既に二十八年度も、もう十二月ですので、それぞれ県予算なり、市町予算なりがある程度の要望、頭出しとか、いろいろあっていると思います。  そういう中で、例えば今、部長言われましたように、市町、土地改良区で実施している分がだんだんと下がってきているという中で、それだけの市町が要望するような事業量の確保の金額は、果たしてこの既存の農業基盤整備促進事業の中での確保ができていけるのか。そこら辺について状況等わかれば、御回答願いたいというふうに思っております。  以上です。 39 ◎御厨農林水産部長 登壇=池田議員の再質問についてお答えいたします。  議員からは、暗渠排水事業を今後、農家負担軽減に向けて検討を進める中で、全体としての農業農村整備事業の予算が確保できるかというところでございます。  今後、暗渠排水事業の農家負担につきましては、先ほど申したとおり、市町とか、土地改良区の皆さんと十分お話をさせていただいて、どのくらいの事業をやっていくかというのを詰めなくちゃいけないと思いますし、今後、来年度の農業農村整備事業の全体の予算の編成作業を行っていく中で、全体としてどのくらい事業量が確保できるか、ちょっと今まだそこをお答えする材料がございませんけども、我々としては、やはり地元の要望に十分応え切れていないというのは重々わかってございますので、できるだけの事業量確保に向けて予算編成を組みたいと思いますし、国のほうにもちょっと御相談もしながら、その事業量確保に努めてまいりたいと考えているところでございます。  以上、お答えいたします。 40 ◎議長(中倉政義君) 本日の会議はこれで終了いたします。あす六日は一般質問、請願上程、議案及び請願の委員会付託を行います。  本日はこれで散会いたします。     午後四時三十二分 散会 Copyright © Saga Prefectural Assembly Minutes, All rights reserved. ページの先頭へ...